フェンダーUSA1972-3年製ナチュラルメイプル
Deep Purpleのライブ
'74s CALIFORNIA JAMでブリッジ下の三角に伸びた木目が印象的なリッチーブラックモアがメインで愛用していた1972年製のNATURALをイメージして長年探していました。同じ年式の同じカラーのオリジナルを探すだけでも結構大変ですが、木目までこだわると中々見つかりませんでしたから発見した瞬間思わず衝動買いでした^_^;
*リッチーは72年後期型(2ストリングスガイド仕様)のギターを入手後72年の1ストリングスガイドのネックに付け替え、3・4弦のストリングスガイドを通常よりもナットよりに追加していました。
このギターは、72年12月のネック・72年43週のポット・72年の特徴である角張ったボディーに73年初期のピックアップが搭載されているフルオリジナルです。厳密には73年となりますが、PUの仕様変更は無く、むしろ印象は72年です。
思いの他ナット幅が狭く、40mmは所有のオリジナルの中では細身の部類です。
若干肉厚ですが、かえって握りがしっくり来ますし、重めのボディーとのバランスが良く実際の重量ほど重さを感じないようです。
フレットはミディアムジャンボに交換されています。
サウンドは重量のあるアッシュと言う事で太くてワイルドです。
基本的に3.7kg以下の物を目指してますが何故かこの重量でも許せてしまうギターです(笑)。
ナット幅:40mm アッシュ材 重量:4,260g#379694
STRATOCASTERは1971年後期から大きな仕様変更がなされました。三点留めのネックでヘッドに飛び出したブレットトラスロッド、亜鉛ダイキャスト製のトレモロユニット、2テンションストリングスガイド('72年後期~)いわゆる'70sの代表的なルックスですね!
このギターは'73年としていますが、殆ど'72年仕様ですのでその詳細に触れてみます。 ボディ この当時のボディーはまだアルダー材が主流ですが、BLONDと'72年より始まったNATURALは木目が目立つアッシュ材が使われています。
初期STRATOCASTERに使用されていたアッシュより'70年代の物は比較的重たい物が多いようですが、これは軽量なアッシュ材が入手困難になってきた事とサスティーンを要求した当時のミュージックシーン事情が偶然?にも一致した為かも知れません。
'74年後期より定番カラーにもアッシュが増えてゆき75年以降殆どのSTRATOCASTERがアッシュになりますが、コンター加工が小さくなり体積が増えた事も相まってよりHEAVYな物が増えてゆきます。
所有の'74年NAT/Mは3,6Kgと比較的軽量ですがこのギターは4260gで決して軽いとは言えません。しかし、その分サスティーンが強く音も太くワイルドなサウンドを出してます。
ピックアップキャビティーの加工は直線的で、「NATURAL」と赤いスタンプが押されています。
'72年のボデイーは角張っているのが特徴的で、コードの溝は略直線で'72年までの特徴的な彫り方('73年以降'76年まではセンターPUキャビティー方向へカーブしている物が多いです)です。このギターがその特徴から'72年に加工された物と判断できます。
ネックの解説
写真でお解りのように、ネックデイトは黒のスタンプで”22DEC72B”とスタンプされています。22がストラトキャスターのコードナンバー、DECは12月の製造、72が1972年の製造を、Bが標準タイプのネックである事を意味しています。
MICRO TILT ADJST NECK(3ボルト)の特徴は'74年SB/M内部の方で解説しております。 '72年のネックはBタイプでも比較的太い物が多いようですが、やはり個体差が有ります。このギターのネックはネット幅40mmと細身で、厚みは少し肉厚です。
PGの解説
この年代のピックガードは一貫して白黒白の3ピースプライのものが使用されていました。この当時のギターは、ノイズ防止&アースを得る為のアルミシールがポット周辺に貼られておりますが、このギターはその上からピックガード全体にアルミシールが追加されています(これは前オーナーが後から施した物のようです)。
この時期はピックアップを固定するネジなどが皿ネジであった為、ネジ穴がそれ用に面取りがされている点と、セレクタースイッチ部のスリット幅が広めに空いています('73年までの特徴)。
PUの解説
グレーファイバー紙のピックアップで、このギターの場合フロント・ミッド・リアすべて赤色で18173とスタンプされています。'73年の第一週目(1月1-6日)と思われ(年明け早々に製造された物?)、ボディー・ネックデイト・ポットデイトも含め総合的に診て略'72年仕様のギターである事が伺われます。(所有の'73年WHT/Rのデイトが「181173」ですから、このピックアップと同じ機械で10週後に製造された兄弟と言う事が判明しました!)ピックアップを固定するネジは皿ネジ、スプリング使用となっています。リード線を束ねるテープは'50年代より採用されている1/2インチ幅の紙製マスキングテープで、取りつけ位置も一応に変化はありません。
ポットの解説
このポットは72年~73年ごろ少量見られるレアなPOTが搭載されています。
メーカーはCTSですが、メーカーコード「137」 の上の段に(頭の部分がうまく写っておりませんが)MEXICOと刻印されています。本来USAで生産されているのですが、当時試験的だったのか定かでは有りませんが、MEXICOに生産ラインが存在していた(CTS社の事ですから現行のFenderMEXICOでは無いです)事を照明する貴重なPOTです。このPOTは'74年以降の存在は確認されていないようです。デイトは「7243」で最初の2桁が'72年製を、後の2桁がその年の43週目(10月16-21日)の製造を意味しています。
今後、その他のギターも解説してまいりますのでトータルで鑑定資料として、皆さんの愛器判定の参考にしていただければ幸です。