先日、Raspberry Piのエンジニア3名がRedditのr/engineeringでAMA(Ask Me Anything)を開催しました。読んでみると、興味深い情報がいくつかあった一方で、「おや?」と思う点もいくつか。

この記事では、その内容を簡単にまとめつつ、SBC市場の“もう1つの勢力”についても触れてみます。

Raspberry Pi 6

Raspberry Pi 6はまだ先、おそらく2028年

過去のPiリリース間隔を見ると:

  • 2012: Pi 1

  • 2015: Pi 2(+3年)

  • 2016: Pi 3(+1年)

  • 2019: Pi 4(+3年)

  • 2023: Pi 5(+4年)

このサイクルならPi 6は2026年か2027年。しかしCEOのEben氏は「4〜4.5年」という見解を示し、早くても2028年初頭になる見込みです。

かなりの期間です。実際、競合であるRockchipのRK3588を搭載したボードはすでに市場に出回り、6 TOPSのNPUとオクタコアCPUを備えています。

Pi Zero系も厳しい状況

Pi Zero 2Wは依然として品薄。理由の一つは、AIチップの大量生産により、古いプロセスノードのチップでもウェハーを確保するのが難しくなっているから。

Pi Zero 3の登場も当分なさそうです。理由は2つ:

  • 高速なCPUを維持しつつ、片面PCBを維持するのが困難

  • 新しいLPDDRメモリは、$15という価格帯には高すぎる

ちなみに、現行のZero 2Wは旧式のLPDDR2を搭載しています。Raspberry Piが在庫を抱えているからこそ成立する価格です。

RP2350、電源とセキュリティに課題

James Adams氏によると、RP2350は電源とセキュリティ面で想定以上の課題があったとのこと。新しいシリコンリビジョン(stepping)で電流リークのバグは修正されたそうです。

また、Picoシリーズがmicro USBを採用し続ける理由はコスト。USB-Cコネクタは高価で、わずかながら基板スペースも奪います。

製品を大量生産する場合、1セント単位のコスト差が大きく響く。まさにその理由で、多くのOEMメーカーは他のプラットフォームを選びます。

ソフトウェアこそがPiの真の強み

CTOのGordon Hollingworth氏は、「ソフトウェアエンジニアリング時間の95%をライブラリ、ドライバ、カーネル、OSに費やす」と語りました。

この分野では、Raspberry Piは他の追随を許しません。開発体験のスムーズさは圧倒的です。

ただし、Rockchipを搭載したメディアボックスやセットトップボックスも何年も前から出荷され続けており、そのエコシステムは成熟しています。Piほどの完成度ではないにせよ、量産レベルでは十分実用的であり、かつ低コストです。

結局、何を選ぶべきか?

ソフトウェアとコミュニティの強さでは、Raspberry Piの右に出る者は今もいません。趣味の領域やプロトタイピングであれば、Piは依然として最も安全な選択肢です。

しかし、製品をスケールさせたい今すぐAIアクセラレーションが必要200ドル以上かけずに8Kメディアボックスを組みたい、そんな要件があるなら状況は異なります。

Pi 6の登場は2年以上先。一方、Rockchipの次世代フラッグシップはそれより先に登場する可能性が高く、32 TOPS、12コア、LPDDR6というスペックを、おそらくPiよりも低価格で実現するでしょう。

まとめ:

  • Raspberry Pi:ソフトウェア重視、コミュニティ最大、納期は不透明

  • Rockchip:価格、性能、選択肢の豊富さで量産案件に強い


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