アコギで何を弾く?
宴会、パーティー、野外BBQ。何人か集まってワイワイやってる場で、ふいにそのへんに置いてあるアコースティックギターを「どうぞ」って渡されることがある。 人生で何度もあった。
最近は地方での田舎暮らし。地域のコミュニティの集まりや飲み会の席なんかで、壁際にYAMAHAやMorrisが立て掛けてあることがちょくちょく。
そういう時に毎回考える。
さて、何を弾くのが最適解か。
これはオレの中では、けっこう長年のテーマだ。
①ブルースギターを渋くキメる
まずチューニングをサッと確認して、手クセで入れるブルースのリックやターンアラウンド。(定番フレーズ)
これを軽く弾くと、一瞬だけ場の空気が変わる。
「おっ」
「やるな」
みたいな反応になる。
が、その次が問題だ。
だいたい皆、「で、このあと何を歌うんだ?」という空気になる。そこで「はい、以上です」と終えるとズッコケる。かといって延々フレーズを弾き続けるのもキツい。じゃあ、と古典ブルースを弾き語りしようものならこれまた難しい。
Robert JohnsonやMuddy Watersあたりを渋く決めて唄いあげても、場の温度はスーッと下がる。大半の人には刺さらない。通ぶった選曲ってのは、えてして「アクの強いオジサン」感が出る。せいぜいEric ClaptonのTears in Heavenくらいなら「あ、この曲知ってる」と言ってもらえるんだが、もはやブルースではない…
The Rolling Stonesも同じで、誰もが知ってる曲を、Mick Jaggerばりに歌えてこそ成立する。中途半端だと外す。The Rolling Stones デッド・フラワーズ - Dead Flowers
②QUEENの「'39」
高校から大学の頃は、これだった。
Queenの'39
大好きで、よく悦に入って弾いていた。
軽音楽部の部室で新入部員が来ると、このカントリーっぽいイントロを弾いて「どうだ」とばかりに威圧していたものだ。
若気の至りである。
今思えば、この曲を知ってる日本人なんて100人にひとりいるかどうか。
返ってくるのはたいてい、
「上手ですね」
という無難なリアクション。
これって淋しい。
40を過ぎた頃、ブルースギターの師匠の前で腕前披露のつもりで弾いたことがある。
そしたら途中で、
「はいはい、わかった。もうええわ。やめろ」
と止められた。
あれは効いた。
小手先で弾いてる感じを見抜かれたんだろう。
③で、結局何を弾くのか
アコギをパッと渡されて、その場の注目が集まる。この時に何を弾くか。
これはギター弾きなら、一度は考えるテーマじゃないだろうか。
オレなりにたどり着いた答えがある。
50歳以上が多い場なら、まずこれ。
22歳の別れ(風)
イントロのオブリガードをきっちり決めて、ギター1本でスリーフィンガーでしっかり支えながら歌う。
これがハマると自然に拍手が起きて、気がつくと誰かが一緒に歌い出す。オジサンオバサンの心にブッ刺さる。時間が一気に青春時代に戻る。
そしてもうひとつ。
世代を問わず通用する一曲。
The BeatlesのA Hard Day's Night
コレをギター1本でアタマの不協和音の一発からバシッと決めて、ノリよくやる。間奏〜エンディングまでギターのフレーズを外さずキメれば、だいたい皆わかるし、歌える。
場もちゃんと盛り上がる。
結局、こういう場で求められてるのは「俺のギターを聴け」じゃなくて、その場にいるみんながちょっと楽しくなることなんだろう。
…このテーマ、まだ語れそうなので、あと何回か続けます。
