第12期 自然農と手づくり循環生活実践コース(8月講座前半分のレポート)#梅ちゃん
8月19日(土)
◎13:00〜オリエンテーション&近況
全員が到着して、近況を報告し合いました。各自の畑での取り組みや梅干しづくりや梅ジュースのこと、この夏の暑さのことなどの話題が出ていました。
◎ 14:00〜薪置き場づくり その2
屋根のある作業場へ移動して薪置き場の土台となる木材の加工をしました。
◆土台の木組みが噛み合うように、横木と縦木の両方の材の切り落とす部分を鉛筆や墨で墨付し、丸鋸や鋸、のみで実際にカットしました。

(差し金で一寸を測り墨入れしているところ)
◆差し金の幅は0.5寸あるので、目盛りの1.5寸に印をつけます。

◆丸鋸はガイド(オレンジ色の部分)と実際の歯をみて歯を合わせ水平に押し出すのがコツ。跳ね返りがあるので身体は丸鋸の真後ろに来ないように左側に避けています。
◆奥の一寸を残し手前のニ寸を切り落とします。この向きで寸法までしっかりと鋸を入れます。
(切り落とした後の仕上げをしているところ)
◆この向きでは切りすぎると残りの材の強度が下がるので慎重に操作しています。
◆のみは玄能を使い彫り進めます。切り出す幅が広いときは幾筋か鋸で切れ込みを入れておくと効率が上がります。
◆それぞれ切り込みを入れ材を組むことができるようになりました。
(休憩)
◎ 16:00〜【実演】段ボールコンポストの作り方&実演
1.キュウリの種取り
◆こちらが熟したきゅうり(文字通り「黄瓜」)。この中で種が成熟しています。

◆採取した種子は容器に入れたまま2、3日暖かいところに置いておくことで乳酸発酵し、ゼリー状の果肉は種子と分離しやすくなります。そして乳酸菌により雑菌が駆逐され種子消毒を行ったことと同じになります。
◆種子とゼリー状の果肉が分離しやすくなった状態で水洗いして種子を取り出し、乾燥させて保存します。
◆種子を乾燥させるときは、光沢のある広告などの紙の上に種子を広げて乾かすと、紙にへばり付かずに回収が容易になります。
2.段ボールコンポストの作り方
《準備するもの》
・段ボール(高さのあるしっかりしたもの)・布ガムテープ・新聞紙・腐葉土・米糠・水・移植ゴテ(ステンレス製)
《作り方》
◆段ボールは操作性を考えて蓋の部分は外側に出して止めます。重ね張りができる布ガムテープがおすすめ。

◆新聞紙を箱の内側の大きさに折って入れます。

◆腐葉土と米糠を体積6:4の割合で入れてよく混ぜます。

◆傾けて隅の偏りがなくなるまで混ぜ、その後水60%を入れていきます。

(握って雫がポタポタ落ちると水分過剰)
◆水60%の入れ具合は、混ぜたものを握ったとき水分が滲みる程度、手を開いたとき塊ができる状態となる程度です。
◆発酵床ができた段ボールは軒下などの雨や水の当たらない場所に置いて保管します。
◆数日(季節により異なる)で生ゴミを入れられる状態になります。
《使い方》
・発酵床を掘って生ゴミを入れ、米糠を一握りまぶして埋め戻します。
・次のときは、初めに埋めた場所と違うところに入れるようにしていきます。
・専用のステンレス製移植ゴテ(スコップ)を準備しておくと手間が減ります。鉄製はすぐに錆びるので使わないようにします。
《トラブル対処》
・発酵床が「乾いてきたとき」は、水を足すか段ボールにゴミ袋を被せて保水します。
・「分解が進まなくなってきたとき」は、廃油を入れて発酵の活性化を図ります。
・また、ヨーグルト、乾いた納豆、きのこの石突などを入れても分解が促進されます。
・塩分は発酵を抑制する作用があるため、漬け物など塩分を含むものは入れないようにします。
・「表面にカビが生えてくる」のは問題ありません。
・冬場など「寒さ対策」として、段ボールの下に「すのこ」を敷いたり一回り大きい段ボールに入れて二重にするなど温度が下がらない工夫をするといいです。
・詳しくは「高倉式コンポスト」を参照してください。
◎17:00~温泉
みんなで温泉に行きました。この日はアイスを食べました。
◎18:50~夕食
ナツキータのご飯は、味も色彩も最高!
ナツキータ、いつも美味しく健康的なご飯を丹精込めて作ってくださり、ありがとうございます。
◎20:15〜【宿題発表】わたしの国のシステムデザイン
【課題】わたしの国のシステムデザイン
あなたが暮らす国を支える3つの要素がどこからきているか 調べてみましょう 次回のクラスで、調べた内容をシェアします!
<3つの要素>
・有機物(食糧)・水 ・エネルギー
今回は「有機物」と「水」について調べたグループに分かれました。同じテーマで調べてきた人同士でまずシェアをして、その上で、全体に対してグループごとに発表をしました。

◆問題が広範囲で奥行きが深いので、各自注目する視点が異なり興味深い内容となりました。
・飼育肥料から国産化を図り、コスト減と収益増及び事業拡大をなし、結果「食料自給率」の向上も果たしている千葉県T牧場の取り組み
・プラスチックのリサイクルに見る有機物の流れ
・有機物の流れにおける農薬の位置づけ
・規格外野菜の「アップサイクル」について
・工業用水の再利用など「水」使用の現状について
◆小さくは家庭、広げては地域や国レベルの「水、エネルギー、有機物」の流れを意識し、永続した暮らしを追求するきっかけとなる発表になりました。
◎21:10~交流会
夜がふけるまでビールやノンアルコール、水などをいただきながら話しを弾ませ、リラックスすることができました。
◎23:00 就寝
おやすみなさい。
(感想)
・建築など他人に任せて自分では手を出していなかったことに取り組むことで、「自分でもできる」という感覚が生まれるとともに、専門に行っている方への「尊敬の念」が自然に湧いてくるのが、自分にとって素晴らしい経験になっていると実感しました。
・大きな「絵」(世界的なレベルのシステムデザイン)の中で自分にできること(段ボールコンポストの作成など)を位置づけると、取り組んでいることの軸がぶれなくなるのかなと改めて思いました。
・「宿題なんて嫌だな、ただ行くだけの講座にしてくれないかな」と思っていた今回の講座でしたが、参加者の興味のある分野や視点などが宿題の発表で垣間見ることができ、「宿題も自分のためだけでなく、他人のためにもなっているので役に立つんだな」と捉え直すことができました。
・今回も充実した講座を用意してくださった梅ちゃんとナツキータ、協力してくれたしーさん、その姿で心を和ませてくれた猫のだいちゃん、あずきちゃん、啼き声で癒してくれたヤギのロサとルナに感謝します。ありがとうございました。
(終わり)