*以下、非常にセンシティブな内容を含む。ウクライナおよび西欧諸国の報道と、ロシアの報道に差があるため、真偽のほどは定かでない。また原発反対論者と原発擁護派のディベートを提案しているわけではない。

 国際原子力機関(IAEA)のラファエル・マリアーノ・グロッシ事務局長は2022年8/2、3月上旬からロシア軍が占拠しているウクライナ南部のサポリッジャ原子力発電所について「完全に制御不能な状態だ」と述べた。サポリッジャ原発は欧州最大の原子力発電所である。英BBCによると現在も稼働しており、ウクライナ人技術者が運用している。ロシア軍の一部は同原発を拠点に攻撃し、ウクライナ軍は原発破壊を恐れ、効果的な反撃ができない。ブリンケン米国務長官は8/1、ロシア軍が同原発を「核の盾」として利用しているとして非難していた。グロッシ事務局長は「原発の安全に関する原則が破られており、看過できない。状況は極めて不安定だ」、「ザポロジエ原発には修理と査察が必要だ」と述べた。ウクライナは8/5、ザポリッジャ原発の施設の一部が、ロシア軍の砲撃によって「深刻な損傷」を受けたとしている。また、同原発から周辺の民間区域を砲撃し、「テロ戦術」を駆使していると、ロシア軍を非難している。同原発には原子炉6基があり、使用済み核燃料を保管している。IAEAのグロッシ事務局長は8/6、ザポリッジャ原発への砲撃の報告を受けて、「非常に懸念している」と述べた。「原発施設に向けられた、あるいは原発施設から発せられる、どのような軍事的な火力も、炎をもてあそぶに等しく、とんでもない壊滅的な結果につながり得る。ウクライナおよびその先の人たちの公衆衛生と環境を脅かす、原子力の危機が起きるリスクが真に迫ったものになっている」と大惨事が起きるリスクが深刻化していると警告し、原発周辺での軍事行動を直ちに止めるよう求めた。ウクライナの原発を運営する国営「エネルホアトム」は通信アプリ「テレグラム」で、ロシア軍の砲撃を報告。ひとつの「発電ユニット」の閉鎖を余儀なくされたことや、放射性物質が漏れる危険があるとして、砲撃が「発電所の安全稼働にとって重大なリスク」をもたらしたと書いた。ロシア政府は、原発を砲撃したのはウクライナ側だと反論している。英国BBCは、報告されている原発の被害状況を検証できていない。しかし、欧州連合(EU)は原発砲撃についてロシア政府を厳しく非難。EUの外相にあたるジョセップ・ボレル外交安全保障上級代表は、原発周辺の「ロシアの軍事行動を非難する」と述べた。ボレル外交安全保障上級代表は、「原子力の安全ルールに対する深刻かつ無責任な違反行為で、ロシアはまたしても、国際規範を無視してみせた」として、ロシアはIAEAによる現場の確認を受け入れなくてはならないと呼びかけた。ドニプロ川を挟んでザポリッジャ原発の対岸にあり、今もウクライナ政府の統治が続くニコポリの住民はBBCに対して、ロシア軍が原発周辺から砲撃を続け、武器などの装備を原発施設内に運び込んでいると話した。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は8/5、「この施設に対する砲撃はすべて、恥知らずな犯行でテロ行為だ」と非難した。イギリス国防省も8/5、ロシア軍が原発周辺にいる砲撃部隊を使い、ドニプロ川西岸のウクライナ領を攻撃している可能性を指摘。さらに、原発がその性質上「保全された状態」にあることを利用し、ザポリッジャ原発が位置するエネルホダル市など周辺地域で部隊を休憩させ、ウクライナ軍から夜間攻撃を受けないようにしていると分析している。さらにザポリージャ原発で8/6~8/7ミサイルが着弾した。ウクライナ側、ロシア側の双方が相手の攻撃だと非難している。使用済み核燃料の保存施設近くに着弾し、放射能観測用のセンサーが被害を受けたという。国際原子力機関(IAEA)が深刻な懸念を示す中でも原発の被害が続き、事態は深刻化しつつある。ウクライナの原子力企業エネルゴアトムは8/7、ロシア側のミサイルが着弾し、放射能観測用のセンサー3基が被害を受けたと発表。「放射線環境が悪化したり、使用済み核燃料の容器から放射能が漏れたりした場合も、早期発見や素早い対応は不可能」になったとの見解を示した。近くの保存施設には24基ずつの使用済み核燃料が入った174の容器が置かれていたという。エネルゴアトムは攻撃があったのは8/6だとしている。着弾の際の爆発による破片で原発の職員1人がけがをし、周辺の複数の建物の窓ガラスが割れたといい、大惨事が避けられたのは「奇跡的」としている。一方、ロシア国営タス通信によると、ロシア側も8/7に、地元の親ロシア派が「ウクライナ軍からのクラスター弾による攻撃」を発表。攻撃は8/7未明までにあり、着弾地点は原子炉のある区域から400メートルも離れていなかったとした。





1979年3月の米スリーマイル島の原発事故を受けて、同年、マディソン スクエア ガーデンで開催された一連の反原発コンサートは、原子力の危険性に対する一般の意識を高めるだけでなく、音楽的にも歴史的にも重要なイベントであった。そのコンサートは長編映画と2 枚のCD『No Nukes(ノー・ニュークス 原子力発電所建設反対運動~ミューズ・コンサート・ライヴ!)』として記録され、Bruce Springsteen & The E Street Band、Jackson Browne、The Doobie Brothers、Tom Petty And The Heartbreakers、Poco、Crosby, Stills & Nash、James Taylor、Bonnie Raitt、John Hall、Ry Cooderなど1970年代を代表するアイコンの楽曲が披露された。アルバムの正式タイトルは『NO NUKES From The MUSE Concert For A Non-Nuclear Future』で演奏者のグループの名称「MUSE」はMusician United For Safe Energyの略。Bruce SpringsteenやJackson Browneより少し上の世代が中心で、ビデオで見る限り、Jackson Browneなどに確固たる原発反対の意思があったようには思えず、社会への反発が原発に向かっていたように見える。



DISC 1:

1. Dependin' on You - The Doobie Brothers

2. Runaway - Bonnie Raitt

3. Angel from Montgomery - Bonnie Raitt

4. Plutonium Is Forever - John Hall

5. Power - James Taylor/John Hall/The Doobie Brothers

6. The Times They Are A-Changin'(時代は変わる) - Graham Nash/James Taylor/Carly Simon

7. Cathedral - Graham Nash

8. Crow on the Cradle, The - Graham Nash/Jackson Browne

9. Before the Deluge - Jackson Browne

10. Lotta Love - Nicolette Larson/The Doobie Brothers

11. Little Sister - Ry Cooder

12. Woman, A - Sweet Honey in the Rock

13. We Almost Lost Detroit - Gil Scott-Heron (studio)

14. Get Together - Jesse Colin Young

DISC 2:

1. You Can't Change That - Raydio

2. Once You Get Started - Chaka Khan

3. Captain Jim's Drunken Dream - James Taylor

4. Honey Don't Leave L.A. - James Taylor

5. Mockingbird - James Taylor/Carly Simon

6. Heart of the Night - Poco

7. Cry to Me - Tom Petty & the Heartbreakers

8. Stay - Jackson Browne/Tom Petty/Rosemary Butler/Bruce Springsteen & the E Street Band

9. Devil with a Blue Dress Medley: Devil With A Blue Dress / Good Golly, Miss Molly / Jenny Take a Ride - Bruce Springsteen & the E Street Band

10. You Don't Have to Cry - Crosby, Stills & Nash

11. Long Time Gone - Crosby, Stills & Nash

12. Teach Your Children - Crosby, Stills & Nash

13. Takin' It to the Streets - James Taylor/The Doobie Brothers



 『NO NUKES From The MUSE Concert For A Non-Nuclear Future』の派生商品として2021年にBruce Springsteen & the E Street Bandのコンサート部分だけを抽出・拡大した『The Legendary 1979 No Nukes Concerts(2CD+Blu-ray)』として発売された。

 

DISC 1(CD 1):

1. Prove It All Night

2. Badlands

3. The Promised Land

4. The River

5. Sherry Darling

6. Thunder Road

7. Jungleland

DISC 2(CD 2):

1. Rosalita (Come Out Tonight)

2. Born to Run

3. Stay with Jackson Browne, Tom Petty & Rosemary Butler

4. Detroit Medley: Devil with the Blue Dress On / Good Golly Miss Molly / C.C. Rider / Jenny Take A Ride

5. Quarter To Three

6. Rave On!

DISC 3(Blu-ray):

1. Prove It All Night

2. Badlands

3. The Promised Land

4. The River

5. Sherry Darling

6. Thunder Road

7. Jungleland

8. Rosalita (Come Out Tonight)

9. Born to Run

10. Stay with Jackson Browne, Tom Petty & Rosemary Butler

11. Detroit Medley: Devil with the Blue Dress On / Good Golly Miss Molly / C.C. Rider / Jenny Take A Ride

12. Quarter To Three

13. Rave On

14. Prove It All Night

15. Badlands

16. The Promised Land

17. The River

18. Sherry Darling

19. Thunder Road

20. Jungleland

21. Rosalita (Come Out Tonight)

22. Born to Run

23. Stay with Jackson Browne, Tom Petty & Rosemary Butler

24. Detroit Medley: Devil with the Blue Dress On / Good Golly Miss Molly / C.C. Rider / Jenny Take A Ride

25. Quarter To Three

26. Rave On

 

 『No Nukes』でも、Bruce Springsteen & the E Street Bandが登場する“Rosalita (Come Out Tonight)”、“Born to Run”、“Stay”、 “Detroit Medley: Devil with the Blue Dress On / Good Golly Miss Molly / C.C. Rider / Jenny Take A Ride”が山場で、そしてJackson Browneの十八番の“Stay”までもが主役はBruce Springsteen with Rosemary Butlerになってしまっている。今とは違いBruce Springsteenがなんと精悍なこと。躍動感が若々しい。それにしてもClarence Clemonsの存在感はスゴイ。Bruceを置き去りにして2011年に69歳という若さで脳卒中の合併症にてお亡くなりになったのが、もったいない。