Youtube:https://www.youtube.com/watch?v=y2G7bKZei4M
ロシアの支配するセヴァストポリ(Sevastopol)のロシア黒海艦隊司令部(HQ)を、2022年7/31早朝にウクライナ軍が攻撃した。
HQはHead Quartersのことで、本社、軍事司令部、本部と訳される。ロイ ハーパー(Roy Harper)が1975年発売した8枚目のアルバム『HQ』こそ、プログレ・バンドの総司令部であった。ロイ ハーパーは英国のフォーク/ロック・シンガーソングライターで、ロイ・ハーパー自身、このアルバムを「これまでに作った中で最高のレコード」、「私の人生で最高の時期に作られた素晴らしいアルバム」と評価していた。ボーカル、アコギのRoy Harperのバック・バンド「Trigger」のメンバーは、ドラムス・パーカッションが元Yes・元King CromsonのBill Bruford、エレギがChris Spedding (元Sharks & Jack Bruce)、エレベがDave Cochran (元Albert King)で、彼らはPink FloydのKnebworthでのコンサートをサポートした。なお、『HQ』のアルバムのアートワークはFloydと同じくHipgnosis。
LP Side One:
①"The Game (Parts 1–5)"
②"The Spirit Lives"
③"Grown Ups Are Just Silly Children"
LP Side Two:
④"Referendum (Legend)"
⑤"Forget Me Not"
⑥"Hallucinating Light"
⑦"When an Old Cricketer Leaves the Crease"
1995年リリースCDのbonus tracks
⑧"The Spirit Lives" (Early Mix, 23 March 1975)
⑨"When an Old Cricketer Leaves the Crease" (Live in Exeter, 31 October 1977)
⑩"Hallucinating Light" (7" single version)
英国のセッション・ギタリストの1人クリス・スペディング(Chris Spedding)は1969年にジャック・ブルースのソロ・アルバム『ソングス・フォー・ア・テイラー』に参加し、1972~1974年にはFreeを脱退したアンディ・フレイザーとシャークスを結成し、その後、ロイ・ハーパーのバックバンド「トリガー」に加入し、当アルバム『HQ』のレコーディングにも参加した。『HQ』は「トリガー」のメンバーのみならず、1曲目の“The Game”にはPink FloydのDavid Gilmour(エレギ)、Led ZeppelinのJohn Paul Jones(エレベ)で参加しており、『HQ』の名前に恥じず、フォークの大御所、キンクリ、フロイド、ゼップの大共演であった。David Gilmour参加の由縁として1975年、Pink Floydはアビーロード・スタジオでアルバム『Wish You Were Here(炎~あなたがここにいてほしい』をレコーディング中で、3曲目の“Have A Cigar”のボーカルに行き詰ったFloydが、同じアビーロード・スタジオで『HQ』を録音中であったロイ・ハーパーにボーカルを依頼した。もともとギターのDavid Gilmourはロイ・ハーパーの楽曲に参加しており、その恩返しとして参加を決意したとのこと。なお後日談として、“Have A Cigar”のボーカルに対してのギャラはなかったとか? 1曲目の“The Game (Parts 1–5)”の前半はジョンジーがいるせいかリフだけZepp。なお1975年といえばZeppの『フィジカル・グラフィティ(Physical Graffiti)』発売の年。そういえばZeppの3rdのB面5曲目(CDでは10曲目に“ハッツ・オフ・トゥ・ロイ・ハーパー(Hats off to <Roy> Harper)というCharles Obscure によるトラディショナル・ナンバーもあった。“The Game”にはBill Brufordの他に、英国のアンダーグラウンド・サイケデリック/ヘヴィ・ブルース・ロック・バンド「エドガー・ブロートン・バンド(Edgar Broughton Band)」のメンバーでEdgar Broughtonの弟でもありマイク・オールドフィールド(Mike Oldfield)の『Tubular Bells』でドラムを演奏していたSteve Broughton(1950~ 2022年)もドラムで参加しており、ビルのドラムかスティーヴのドラムか聞き分けられないが、この曲の前半のドラムは、おかずが少なく至ってシンプル。この曲にはPink FloydのDavid Gilmourも参加しているが、曲の中間部はFloydに似ているといえなくもなくスペーシーな感じで、ここでのドラムはすこしアフリカンなエッセンスも入って面白い。1975年といえばBill Brufordを時間軸に考えれば1974年リリースのKing Crimson『レッド(Red)』と1981年リリースのKing Crimson『ディシプリン(Discipline)』の間で、U.K.の1978年の1stアルバム『U.K. (憂国の四士)』よりも前で、さらにU.K.の前身ともいわれる1976年のWakeman, Wetton & Bruford(Rick Wakeman, John Wetton & Bill Bruford)結成の前で、Bill BrufordはE.G.レコーズの所属であった。
