2022年7/29、欧米などで感染が相次ぎ我が国でも感染者を認めた「サル痘」について、厚生労働省は熊本市のKMバイオロジクス製の天然痘ワクチンに発症予防効果などがあるとして「サル痘」の予防にも使用できるよう承認する方針を決めた。「サル痘」は天然痘のような発疹などの症状が出る感染症で、我が国内では2人の感染が確認されている。日本では1976年以降、天然痘ワクチンの接種は行われていないが、厚生労働省によると、サル痘ウイルス曝露後4日以内に投与した天然痘ワクチンによっておよそ85%の「サル痘」の発症予防効果があるとされており、曝露後4~14日で接種した場合も重症化予防効果があるとされている。



 「サル痘」の病原体はサル痘ウイルスで、サル痘ウイルスはポックスウイルス科オルソポックスウイルス属に分類されるDNAウイルスで、その長径は300nmつまり0.3mmを越えるウイルスとしては巨大なウイルスである。ちなみに天然痘もポックスウイルス科オルソポックスウイルス属に属し、サル痘はmonkey pox、天然痘はsmallpox(またはvariola)といわれ、サル痘はジリスなど齧歯類が自然宿主でプレーリードッグなどを介して広がったともいわれ、天然痘の原型となるウイルスはラクダから人類へと入り変異を起こして天然痘ウイルスが成立した可能性が高いと考えられている。サル痘ウイルスにヒト、サル、プレーリードック、ウサギなどが感染すると、天然痘様の症状を呈することがある。ヒトのサル痘は1970年にザイールで天然痘様疾患として初めて報告され、フリカ中央部から西部にかけて主に発生してきたが、2022年5月以降、従前のサル痘流行国への海外渡航歴のないサル痘患者が欧州、米国等で報告され、我が国でも2022年7/25に国内で初めて感染者が確認され、7/28にも国内2例目のサル痘患者が発生したと厚生労働省が発表している。



サル痘の潜伏期間は5~21日(通常7~14日)とされる(WHO, 2021)。潜伏期間の後、発熱、頭痛、リンパ節腫脹、筋肉痛などが1~5日続き、その後発疹が出現する。発疹は典型的には顔面から始まり、体幹部へと広がる。初期は平坦であるが、水疱、膿疱化し痂皮化した後、発症から2~4週間で治癒する。発疹は皮膚だけではなく、口腔、陰部の粘膜、結膜や角膜にも生じることがあるが、特に初期においては水痘や麻疹、梅毒などのその他の発疹症との鑑別が困難なことがある。リンパ節腫脹を呈する頻度が高く、類似した皮膚病変を示す天然痘との鑑別に有用とされる。致命率は0~11%と報告され、特に小児において高い傾向にある。ただし、先進国では死亡例は報告されていない。治療に関しては、ヘルペスウイルス、アデノウイルス及びポックスウイルス等、ほぼすべてのDNAウイルスに対して活性を有するヌクレオシド類似体であるシドフォビルがサイトメガロウイルスの治療などに海外で使用されているが天然痘にも効く可能性があり、サル痘にも一定の効果があるかもしれない。動物実験ではサル痘への有効性が確認されているが、シドフォビルの投与には強い副作用を伴う。また2018年にポックスウイルスの細胞外感染性ウイルス粒子形成の阻害剤である経口剤のTcovirmat(SIGA-246)がバイオテロ対策で天然痘の治療薬として米国FDAで承認され、2021年にはシドフォビルの誘導体である抗ウイルス薬Brincidofovirの錠剤および経口懸濁液が抗天然痘薬として承認され、これも動物実験でサル痘への有効性が確認されており、シドフォビルと比較し有害事象が少ないとの報告もある。さらに2022年ではシドフォビル、Tcovirmat、Brincidofovirが欧州で承認されている。これらがサル痘にも臨床応用されていくかもしれないが、現時点では日本で承認されている特異的治療薬はない。



サルといえば1966年にメジャー・デビューした米国のザ・モンキーズ。ただしThe Monkiesではなく英語表記でThe Monkees。当時、The BeetlesがThe Beatles、米国のThe BirdsがThe Byrdsであったように綴りをちょっと変えるのが流行っていた。オーディションによりグループが結成され、テレビ番組『ザ・モンキーズ・ショー』とレコード販売を連動するメディア・ミックス戦略がとられた。メディア・ミックスであることで悪口も言われたが、The Beatlesだって最初は映画を武器にしたメディア・ミックスみたいな売り方をされていたし、我が国でも、ザ・タイガーズ、ザ・スパイダースなどのGSも映画戦略、クレイジーキャッツやドリフターズだってテレビ・映画戦略あり、音楽以外にもウルトラマン、仮面ライダー、ヱヴァンゲリヲン、鬼滅の刃、呪術廻戦などメディア・ミックスの成功例は多い。

 

ザ・モンキーズが1967年に発売したシングル“デイドリーム(またはデイドリーム・ビリーバー)(Daydream Believer)”は4週連続全米1位を記録した。作詞・作曲は、1950年代後半から1960年代後半に活躍した米国のフォーク・ポップ・グループのキングストン・トリオ(The Kingston Trio)のメンバーであったジョン・スチュワート。演奏は、ウェールズ系英国人デイビー・ジョーンズ(Davy Jones)(1945~2012年)が甘いリード・ボーカルを、アイルランド系米国人のマイク・ネスミス(Mike Nesmith)(1942~2021年)がリード・ギターを、ドイツ系米国人のピーター・トーク(Peter Tork)(1942~2019年)がピアノを、そしてスロヴェニア系米国人のミッキー・ドレンツ(Micky Dolenz)(1945年~)がバック・ボーカルを担当し、ジャズ・トランペッターのショーティ・ロジャーズ(Shorty Rogers) がアレンジした。後に1968年リリースの5枚目のアルバム『小鳥と蜂とモンキーズ(The Birds,The Bees and The Monkees)』に収録されたが、日本では忌野清志郎のザ・タイマーズによる日本語カバーの方が有名で、セブンイレブンの曲と思っている人もいるかも?

 

Daydreamとは白日夢のことで、忌野清志郎版と歌詞のニュアンスはかなり違う。夢想家の青年と地方のミス・クイーンの女性が一緒に暮らしていて、将来の2人の現実を心配し、恋は盲目ではダメだという歌。

 

「デイドリーム・ビリーバー」(Daydream Believer)歌詞

 

You once thought of me

As a white knight on a steed.

Now you know how happy I can be.

Oh, and our good times start and end

Without dollar one to spend.

But how much, baby, do we really need.

 

君はかって僕のことを

種馬に乗った白騎士だと思っていたね

僕がどんなに幸せになれるのか君は知っているだろ

ああ、僕たちの楽しいときが始まって、そして終わっちゃうんだよね

1$のお金も使わなければ

だけど、もっともっとお金が必要だよね