“Black Night”といえばDeep Purpleが1970年にリリースしたシングル曲で、彼らの代表曲の1つ。しかし曲自体はハード・ロックとはいえず、当時のギタリスト、リッチー・ブラックモアーのギターに少しだけハード・ロックの片鱗が聴かれるだけである。当時の最新アルバム『Deep Purple In Rock』(1970年)の販促のため、レコード会社の指示で、作られた。今やCMでもお馴染みである。アルバムには未収録だったが、「Deep Purple In Rock」の25周年盤がリリースされる際、ボーナストラックとして収録。

 

“Black Night”

 

Black night is not right, I don’t feel so bright, I don’t care to sit tight

黒い夜はなんか変だ

気分が晴れない

座ってられやしない

 

Maybe I’ll find on the way down the line that I’m free, free to be me.

多分、道半ばで気付くだろう

俺は自由、自由になった俺を

 


Black night is a long way from home

黒い夜は故郷から遠く離れた場所にある

 

I don’t need a dark tree, I don’t want a rough sea
, I can’t feel, I can’t see

暗い木はいらない

荒れた海もいらない

感じることもできないし、見ることもできない

 

Deep Purpleは1996年9/15にウクライナのキーフ(キエフ)で公演を行い、テレビ番組で撮影されている。ステージは簡素に雑な構成で、当時の東欧がいかにロック・コンサートに不慣れであったのかが伝わる。しかしSteve Morseをギタリストに迎えたDeep Purpleの熱演が凄い。言われていたほどカメラワークは悪くないし、天井を向いていたと言われたライティングも幻想的に見せるための意図的なライティングだと思われる。確かにカメラアングルに甘さがあるがブートレグとは比較にならないほどプロ仕事。ただし画面が少し暗い。ジョン・ロードも健在で、彼のキーボードだけでもパープルを体現していて、上手い。ロジャー・グローバーのベースもソロ部分があったりしてスタジオ・アルバムで聴くよりずっとベース・ランニングしていて上手いのを再確認した。もちろんイアン・ペイスのドラミングも堅実で、スティーブ・モースのギターはDregsで見せたようにスペーシー。残念ながら観客席の音声はカットされているが、表情を見ると実に明るい。西洋に比べれば少しおとなしめだが、ロック・コンサートののりは東西の分断に関係なく熱狂しているのが伝わる。現況を考えると、こんな平和なときもあったものだと悲しい意味で感無量である。