なんとなくここにあったことば3
魚が陸で生きるには息を吸う必要があるのだ。魚は息を吸う行為を決して否定はしていない。ただ、できないのだ。ヒトがやってきて、頭を掻いてただ、吸って吐くだけだと教えた。ただ、吸って吐くだけができるのかわからない魚は頑張ってみようとして死んだ。魚は息を吸う行為を決して否定はしなかった。けれど、できなかった。山に登ると、たどり着けるのだと幸せに、たどり着けると聞いたのだけれどまずは、陸に上がることだと教えられ良い魚は陸に上がって死んだ。深く暗い海の底ではいつまでも息をすることができたのに。闇より光が良いのだとどこかで聞いた良い魚は自分のいる場所が良くないのだと思った。良い魚は死んだけれどそれが良いことか悪いことか聞くのを忘れて死んでしまった。