今回取り上げる作品は、『魔法少女まどか☆マギカ』です。

 例のごとくあらすじは割愛します。マンガの裏表紙に書かれているからです。

 そのあらすじ(第1巻)を読む限り、日常と魔法が共存している世界の話だと感じられます。愛するべき日常を守るべく、魔法少女として活躍するという。
 しかし、読み始めてみると、現実から非現実に否応なく引き込まれていき、そこで目の当たりにする衝撃的な出来事は、中学生である主人公の「まどか」たちには強烈すぎるように思います。
 何でも願いが叶えられるというのと引き換えに魔法少女になるわけですが、それは必ずしも幸福になるわけではなく、その幸福の分だけ不幸が起こる・・・。

 劇中で、「希望を祈った分だけ同等の絶望がまき散らされる。そうやって差し引きゼロにして世の中は成り立っている」というセリフがあります。
 同じようなことを、確か美輪明宏さんや明石家さんまさんがテレビなどで言っていたかと思います。幸福と不幸はプラスマイナス0になるといった話です。
 これが事実だとして、作中でもその理論が成立しているとしたら、ただの勧善懲悪もので夢と希望に満ちた魔法少女物とは一線を画すと思います(もっとも、魔法少女物は本作以外見たことありませんが・・・)。
 そして、その現実が魔法少女になった後に付きつけられた美樹さやかは、他にもつらいことが重なったこともあり、自棄を起こしてしまいます。
 その後どうなるのかは、ネタばれになるので黙っておきます。ただ、最後まで読んでみると、まどかが選んだ結末に涙を禁じえませんでした。・・・まあ、泣きはしませんでしたが。

 私はこの作品、名前こそ聞いたことはありましたが、それほど興味はありませんでした。
 気がついた時にはすでに人気作品と言われていて、そこまで注目されるのはどうしてなのかとは思っていました。が、作品を目にすることはありませんでした。すでにテレビでの放送が終わっていたのも一因です。
 では、どうしてこの作品のマンガ版を手に取ったのか。きっかけはラジオでした。
 TBSラジオの昼の番組で、あるインタビュアーの人が小池一夫さんに取材をした時の話をしていて、そこで『・・・マギカ』を見てどうのこうのという話が出たのです。
 その時、なぜか変な対抗意識が芽生え、「テレビじゃ見られないなら、マンガをば!」と思い立ち、読んだわけです。
 読んでみて、「そら、人気が出るわけだ」と納得しました。
 私が想像するものが従来の魔法少女物の基本的な内容と一致するかどうかはわかりませんが、勧善懲悪で夢や希望に満ちているというのとは異なり、何と言うか、魔法少女として戦う時の血なまぐささが漂う感じで、厳然たるルールが横たわっています。単なる夢物語ではなく、多くの人が目をそむけるようなことが描かれています。
 奇しくも、マンガ版を手に入れる前、私が衛星の無料放送でそのアニメを見られると知り、見てみた時の話が、例の美樹さやかが次第に自暴自棄に陥るところだったのです。思った以上にシリアスな内容で驚いたのを今でも覚えています。
 もちろん、それも今では納得しています。原作者として名を連ねている「虚淵玄」という名前を見た瞬間に。もっとも、そのあとにキャラクターデザインとして「蒼樹うめ」という名前を見た時には驚いたのですが。どちらの方の作品も読んだことがあり、どちらも人気作品です。

 何と言うか、注目を集めるべくして誕生した作品のように思います。
 ただ、それは作品に携わっている人のネームバリューによるところではなく、魅力的なキャラクター、従来の魔法少女物とは一線を画す重厚なストーリー。まどかが選んだ結末は多くの人が感極まったのではないかと思います(一方で、深読みをしたことで純粋に感動できなくなった人もいるかもしれません)。
 なお、ここでは内容について深く考えることはしません。表面的に触れるにとどめておきます。

 人気作品にはいろいろな理由があると思います。人気のあるタレントが出ているとか、そういう理由もあるかもしれません。ただ、本作においては人気タレント頼りではありません。そのため、一度作品を見ると最後まで通して見たくなること間違いないと思います。私も願わくば、マンガ版も読んだことだし、テレビ版を見てみたいところです。
 というわけで今回は『魔法少女まどか☆マギカ』を取り上げました。興味をもたれた方は是非一読を。

(追記)
 そして今、衛星放送で放送されていて、第1話から順次見ているところです。また、サウンドトラック目当てでブックオフで見かけたブルーレイの第2巻も手にしました。・・・サントラはサントラでまとめて出してほしかったというのが本音です。さておき。
 まどかの周辺の日常が次第に崩れてきているというところで、続きが気になります。・・・マンガでは読んでいるわけですが、テレビではまた違う描かれ方がされていることでしょうから。BGMも興味深いですから。