今回取り上げる作品は『薬師寺涼子の怪奇事件簿』という、タイトルからして「普通の事件は起こらないな」と思わせる作品です。原作は田中芳樹さんの小説で、その挿絵を描いていた垣野内成美さんが漫画を描いています。
泉田準一郎は警視庁刑事部参事官付の33歳。いわゆるノンキャリアである。そんな泉田の上司は、彼の肩書に「付」を消した役職に就いている27歳のキャリア、薬師寺涼子である。
だが、この上司が実はとんでもない人物で、その性格などから「ドラキュラも避けて通る」と言われ、「ドラよけお涼」と呼ばれているほどである。
そんな二人も、この手の作品の例にもれず、さまざまな事件に巻き込まれるのだが、それらはどれも、奇怪なものであった。
とまあ、大雑把なあらすじ…というよりは、紹介を記しましたが、具体的にどんな事件かは作品をご覧になることをお勧めします。
というのも、事件一つ一つがどれも綿密で、ここで記すのは難しいからです。…もっとも、それゆえに記すのが面倒くさいというのも一つの理由ですが。
ただ、いろいろと印象などを記しているうちに、内容も併せてつづると思います。それに代えて…ということにします。
さて、たびたび記していますが、この作品で起こる事件と言うのは、どれも奇怪なものです。その理由というのが、本来ならありえないものが犯人であったり、あまりに現実離れしていたりするからです。
しかし、その作品の特徴からか、異様に説得力が強く、「あり得ない」と断言する勇気が失われてしまうのです。超巨大蜘蛛とか、人を食べる動く金属(水銀だったでしょうか?今となっては記憶に自信がありません)とか…。まあ、これが「怪奇事件」と呼ばれる所以なのでしょうが。それも、ただ単に想像の産物としてそういった奇怪な生物などを出しているのではなく、何と言うか、古い書物(研究書?あるいは伝記?)の記述を元にしているので、説得力が強いのです。…作中に出てくる書物の伝説などがまさか想像の産物ということはないと思いますが、もしそうだとしたら、原作者である田中さんの想像力(創造力?)がどれほどのものか計り知れないです。
そして、そんな事件を見事に(というより、かなりの力技で…)解決するのが、我らが主人公薬師寺涼子となるわけですが、彼女がこれまた、先述の伝説をも足蹴にするほどの女性で、そんな彼女の部下(奴隷?)である泉田の苦労は絶えないのです。
ただ、そんな薬師寺涼子ですが、人によっては嫌悪の対象となることでしょうが、嫌悪してばかりはいられないとも思うのです。自分にかなりの自信を持っていて、彼女いわく、「私は薬師寺涼子を演じるのに忙しい」とのこと。いやはや、よほど自分に自信を持っていないと、そんな言葉はなかなか出てきません。
しかし、これは作品全体を通じてのメッセージであるようにも、私には感じられます。特に、現代は様々な悩みを持つ人が多いようです(実態は、私がその手の分野の研究などをしているわけではないのでわかりませんが、そんな話をどこかで聞いた気がします)。その中でも、アイデンティティ(自己の存在証明、詳しい意味は辞書などでお調べいただくことにします。結構難しいことが書いてありますから。ここでは、そんなに深く意味を追求していません。してたら簡潔に終えることができませんから…)にかかわるものが多いのではないかと思います。そういった問題を解決するには、自分に自信を持つことが肝要だと思うのですが、それがなかなかできないのが現実です。ですが、そのヒントが、この作品には隠されているのではないかと思います。薬師寺涼子がどうしてそこまで自分に自信を持っているのか。では、今度は自分自身に置き換えて、薬師寺涼子が自分を誇れる何かがあるように、自分にはそういったものが何かあるのか。もしなかったとしても、それは身近なところに散在していないのか。あるいは、誇れる何かを自分の手で作り出すことができるのか(たとえば、ある特定の分野における知識なら、徹底的に勉強するとか)。そういったことを考えながら読んでみるのも、なかなか面白いのではないかと思います。
ということで、今回は薬師寺涼子の活躍を取り上げましたが、興味をもたれた方は是非一読を。
そして今回は珍しく予告をします。次回取り上げる作品の登場人物もまた「涼子さん」です。その作品は…次回をお楽しみに!
泉田準一郎は警視庁刑事部参事官付の33歳。いわゆるノンキャリアである。そんな泉田の上司は、彼の肩書に「付」を消した役職に就いている27歳のキャリア、薬師寺涼子である。
だが、この上司が実はとんでもない人物で、その性格などから「ドラキュラも避けて通る」と言われ、「ドラよけお涼」と呼ばれているほどである。
そんな二人も、この手の作品の例にもれず、さまざまな事件に巻き込まれるのだが、それらはどれも、奇怪なものであった。
とまあ、大雑把なあらすじ…というよりは、紹介を記しましたが、具体的にどんな事件かは作品をご覧になることをお勧めします。
というのも、事件一つ一つがどれも綿密で、ここで記すのは難しいからです。…もっとも、それゆえに記すのが面倒くさいというのも一つの理由ですが。
ただ、いろいろと印象などを記しているうちに、内容も併せてつづると思います。それに代えて…ということにします。
さて、たびたび記していますが、この作品で起こる事件と言うのは、どれも奇怪なものです。その理由というのが、本来ならありえないものが犯人であったり、あまりに現実離れしていたりするからです。
しかし、その作品の特徴からか、異様に説得力が強く、「あり得ない」と断言する勇気が失われてしまうのです。超巨大蜘蛛とか、人を食べる動く金属(水銀だったでしょうか?今となっては記憶に自信がありません)とか…。まあ、これが「怪奇事件」と呼ばれる所以なのでしょうが。それも、ただ単に想像の産物としてそういった奇怪な生物などを出しているのではなく、何と言うか、古い書物(研究書?あるいは伝記?)の記述を元にしているので、説得力が強いのです。…作中に出てくる書物の伝説などがまさか想像の産物ということはないと思いますが、もしそうだとしたら、原作者である田中さんの想像力(創造力?)がどれほどのものか計り知れないです。
そして、そんな事件を見事に(というより、かなりの力技で…)解決するのが、我らが主人公薬師寺涼子となるわけですが、彼女がこれまた、先述の伝説をも足蹴にするほどの女性で、そんな彼女の部下(奴隷?)である泉田の苦労は絶えないのです。
ただ、そんな薬師寺涼子ですが、人によっては嫌悪の対象となることでしょうが、嫌悪してばかりはいられないとも思うのです。自分にかなりの自信を持っていて、彼女いわく、「私は薬師寺涼子を演じるのに忙しい」とのこと。いやはや、よほど自分に自信を持っていないと、そんな言葉はなかなか出てきません。
しかし、これは作品全体を通じてのメッセージであるようにも、私には感じられます。特に、現代は様々な悩みを持つ人が多いようです(実態は、私がその手の分野の研究などをしているわけではないのでわかりませんが、そんな話をどこかで聞いた気がします)。その中でも、アイデンティティ(自己の存在証明、詳しい意味は辞書などでお調べいただくことにします。結構難しいことが書いてありますから。ここでは、そんなに深く意味を追求していません。してたら簡潔に終えることができませんから…)にかかわるものが多いのではないかと思います。そういった問題を解決するには、自分に自信を持つことが肝要だと思うのですが、それがなかなかできないのが現実です。ですが、そのヒントが、この作品には隠されているのではないかと思います。薬師寺涼子がどうしてそこまで自分に自信を持っているのか。では、今度は自分自身に置き換えて、薬師寺涼子が自分を誇れる何かがあるように、自分にはそういったものが何かあるのか。もしなかったとしても、それは身近なところに散在していないのか。あるいは、誇れる何かを自分の手で作り出すことができるのか(たとえば、ある特定の分野における知識なら、徹底的に勉強するとか)。そういったことを考えながら読んでみるのも、なかなか面白いのではないかと思います。
ということで、今回は薬師寺涼子の活躍を取り上げましたが、興味をもたれた方は是非一読を。
そして今回は珍しく予告をします。次回取り上げる作品の登場人物もまた「涼子さん」です。その作品は…次回をお楽しみに!