さて、今回は前置きもせず、早速本題に入ります。そして、今回はニュースの話題を取り上げるわけではありません。ふと思ったことを記していきます。
発端は、新潮社のホームページを見たときのこと。同社が発行する『コミックバンチ』に連載されている『エンジェル・ハート』という、北条司さんのマンガがあるのですが、同ホームページに「(発行部数)1500万部突破・・・」と大々的にアピールされているのです。
その様子を思い出すと、今度はブックオフの棚のイメージがじわじわと湧いてきました。そこには、『エンジェル・ハート』が1巻から30巻くらいまでずらりと並んでいるのです。さらに思い出してみると、最新巻が発売されてまだ1週間も経っていないのに、もうブックオフの店頭に並んでいるのを見たという記憶もあります。
人気作品であるゆえに、こうした古本屋にも大量に作品が出回るというのは、不可避の事態だと言えます。
あいにく私はマンガ家ではないので、マンガ家の気持ちは推測する以上のことはわかりません。そのため、もしも自分がマンガ家であるのならという“if”で話を続けます。
本屋さんで自分のマンガが平積みされていたり、ポップがつけられて大々的に宣伝されていたり、そして自分のマンガを手にした人がレジに向かっているのを見たりしたら、うれしさと恥ずかしさが混じった気持ちになると思います。また、不安も少なからず、いや、自分のマンガを買う人がいるという光景を目にしたら、かなりの不安を抱くと思います。値段はその本によって異なるのでわかりませんが、果たしてその額を支払った人が、後悔しやしないだろうかとか、「つまんない」というレッテルを貼りやしないかとか、その人が面白いと感じても、その人の友達とかが「あんな駄作が好きなん?変わってんの」と言って、傷ついたりしやしないだろうかとか、いろいろな不安が出てくると思います。そして、そういった不安を抱いたうえで、買ってくれた人に心から感謝すると思います。面と向かってというわけにはいかないかもしれませんが、その気持ちを何らかの形で公に出したり、あるいは心の中だけにとどめるかもしれません。
では、古本屋に並んでいるのを目にしたらどう思うのかということになるわけですが、最初のうちは少しばかり感動するかもしれません。というのも、古本屋に並ぶということは、それだけ多くの人が読んでいるわけで、中には自分のマンガが気に入らないという人もいるかもしれません。そういう人が古本屋に売りに来ているということは、それだけ多くの人が自分のマンガを手にとっているということになるからです。さほど人気がないのなら、古本屋に並びさえしないからです。もちろん、売れた本に対してどれだけの本が古本屋に流れているのかにもよるのですが、そのデータがない(あるいは、自分の手元に渡らない)ため、その辺のことは推測の域を超えられません。それでも、やはり「それだけ人気が出たんだなぁ」と感慨深く思ってしまうと思うのです。
でも、やたらと古本屋に並んでいるのをみると、今度は「そんなに面白くなかったのか?」と、ちょっとした疑心暗鬼に陥ってしまうかもしれません。先述の通り、発行部数のうちどれだけの本が古本屋にわたっているのかというのはわからないのですが、頻繁に目にすると、その割合など度外視して、「自己満足だったのか?俺が面白いと思ったことは・・・」などという具合に、スランプに陥ってしまうきっかけになるかもしれません。
加えて、古本屋で自分のマンガを手にしている人を目にすると、「あ~、古本屋で売れても、俺には1円も流れてこないんだよなぁ・・・」と思ってしまい、だんだんと古本屋でマンガを買う人に不信感やいら立ちを抱くようになるかもしれません。
そして、そういった考えを持つマンガ家が多いのではないかと思います。従来の価格よりも安く売っている古本を買う人、それを売って金儲けする人、どちらにも嫌悪感を抱くのではないでしょうか。おそらく、私もマンガ家だったら、同様だったかもしれません。・・・頻繁にブックオフに通い、マンガを物色しているくせに・・・・・・。
つまり、立場が違うと、ブックオフなどの古本屋に対するイメージは、かくも大きく異なるということです。マンガ家や出版社と、マンガを読む私達との間では、好きと嫌いほどの差があるのです。
本を読む側にしてみれば、興味のある本を安く手に入れることができる古本屋は重宝したいものです。しかし、作家や出版社の場合は、本来得られるはずの利益を古本屋に奪われているようなものです。それでいて、古本屋は作家や出版社にわずかでもお金を払っているわけではないのです。前にニュース記事でそのような旨が書かれていたのを覚えていますが、まあ、その辺は割愛します。
では、古本屋は作家や出版社にとって、敵なのでしょうか?
私なりの答えとしては、イエスでもノーでもないと言ったところでしょうか。そう記すと、あまりにも優柔不断だと思われるかもしれませんが、実際、「どちらとも言えない」いや、「どちらとも言える」のほうが正確かもしれませんが、そういった選択肢が見事に当てはまると思うのです。
まず、古本屋・・・・・・と言っても、私がよく行くブックオフがモデルになるのですが、そこでは棚に並べられている本は簡単に立ち読みができます。つまり、ビニールがかけられていないのです。普通の本屋だとビニールがかけられていて、立ち読みができません。中にはできるところもあるのかもしれませんが、大多数はできないようになっているはずです。そのため、表紙などを見て興味を抱いても、「どんな内容だろうか?」という疑問にはなかなか答えられていません。一部の本は裏表紙に簡単なあらすじがつづられていますが、すべてではありません。確かに、「あらすじ読んじゃうと、作品が台無しだ」という人もいますが、価格によっては中身を知らずに買うのはかなりの冒険というものもあります。そういった時、どうするか?古本屋でその作品を探して、とりあえず立ち読みをして、内容をある程度把握してやっと買うかどうか決断をします。もちろん、ここで全部読むのは作品を執筆した人や本にして出版した会社、そして古本屋にも迷惑ですし、言語道断です。読んでも最初の1話まで。それまでに自分の好みに合うのかを見極めるのです。
ということで、ひとつ、古本屋は作品の試し読みを提供していると見ることができます。もちろん、既刊分は古本屋で集められてしまう可能性は高いです。しかし、未完のものは先が気になるということで、マンガ雑誌を買ったり、古本ではない単行本の続刊を買ったりするようになるはずです。・・・まあ、そういう考えの人がどれほどいるのかはわかりませんが。
次に、何気なく古本屋を訪れた人が、ふと手に取ったマンガにすっかりはまってしまい・・・というように、立ち読みができる古本屋は、新たなマンガの出会いをも提供していると言えます。実際私も、あるマンガを偶然ブックオフで見つけて、すっかりはまったという経験を何度もしています。そして、続刊のものは本屋で買って・・・という感じです。
まあ、経験則なので、説得力の強さの如何は何とも言えませんが、見方を変えるとそういう出会いの場でもあると言えます。それに、すぐに全巻揃えるという場合、古本屋だとなかなかいっぺんにというわけにはいきません。少ない巻数で完結していればともかく、そうでないと結構飛び飛びというのも多いですから。
ということで、今回は古本屋についていろいろと記してきました。今はデジタル書籍がブームの兆しを見せていて、古本屋の先行きも不透明ですが、出版社なども古本屋を悪く言うのではなく、言葉は悪いですが、うまい具合に「利用する」ことを考えるべきだったのではないでしょうか。デジタル書籍も、音楽のダウンロード販売同様、「かゆい所に手が届く」とは言い難い品ぞろえになるかもしれません。・・・結構、私のほしい曲がiTunes Storeに売っていないことが多いのです。デジタル書籍も、そうなるのではないかと思います。そうだとしたら、古本屋の出番です。
もちろん、売り上げなどダメージは小さくはないでしょう。しかし、壊滅するとは思えません。規模は小さくなったとしても、生き残ると思います。私のような人にとっては「味方」になりながら・・・。
発端は、新潮社のホームページを見たときのこと。同社が発行する『コミックバンチ』に連載されている『エンジェル・ハート』という、北条司さんのマンガがあるのですが、同ホームページに「(発行部数)1500万部突破・・・」と大々的にアピールされているのです。
その様子を思い出すと、今度はブックオフの棚のイメージがじわじわと湧いてきました。そこには、『エンジェル・ハート』が1巻から30巻くらいまでずらりと並んでいるのです。さらに思い出してみると、最新巻が発売されてまだ1週間も経っていないのに、もうブックオフの店頭に並んでいるのを見たという記憶もあります。
人気作品であるゆえに、こうした古本屋にも大量に作品が出回るというのは、不可避の事態だと言えます。
あいにく私はマンガ家ではないので、マンガ家の気持ちは推測する以上のことはわかりません。そのため、もしも自分がマンガ家であるのならという“if”で話を続けます。
本屋さんで自分のマンガが平積みされていたり、ポップがつけられて大々的に宣伝されていたり、そして自分のマンガを手にした人がレジに向かっているのを見たりしたら、うれしさと恥ずかしさが混じった気持ちになると思います。また、不安も少なからず、いや、自分のマンガを買う人がいるという光景を目にしたら、かなりの不安を抱くと思います。値段はその本によって異なるのでわかりませんが、果たしてその額を支払った人が、後悔しやしないだろうかとか、「つまんない」というレッテルを貼りやしないかとか、その人が面白いと感じても、その人の友達とかが「あんな駄作が好きなん?変わってんの」と言って、傷ついたりしやしないだろうかとか、いろいろな不安が出てくると思います。そして、そういった不安を抱いたうえで、買ってくれた人に心から感謝すると思います。面と向かってというわけにはいかないかもしれませんが、その気持ちを何らかの形で公に出したり、あるいは心の中だけにとどめるかもしれません。
では、古本屋に並んでいるのを目にしたらどう思うのかということになるわけですが、最初のうちは少しばかり感動するかもしれません。というのも、古本屋に並ぶということは、それだけ多くの人が読んでいるわけで、中には自分のマンガが気に入らないという人もいるかもしれません。そういう人が古本屋に売りに来ているということは、それだけ多くの人が自分のマンガを手にとっているということになるからです。さほど人気がないのなら、古本屋に並びさえしないからです。もちろん、売れた本に対してどれだけの本が古本屋に流れているのかにもよるのですが、そのデータがない(あるいは、自分の手元に渡らない)ため、その辺のことは推測の域を超えられません。それでも、やはり「それだけ人気が出たんだなぁ」と感慨深く思ってしまうと思うのです。
でも、やたらと古本屋に並んでいるのをみると、今度は「そんなに面白くなかったのか?」と、ちょっとした疑心暗鬼に陥ってしまうかもしれません。先述の通り、発行部数のうちどれだけの本が古本屋にわたっているのかというのはわからないのですが、頻繁に目にすると、その割合など度外視して、「自己満足だったのか?俺が面白いと思ったことは・・・」などという具合に、スランプに陥ってしまうきっかけになるかもしれません。
加えて、古本屋で自分のマンガを手にしている人を目にすると、「あ~、古本屋で売れても、俺には1円も流れてこないんだよなぁ・・・」と思ってしまい、だんだんと古本屋でマンガを買う人に不信感やいら立ちを抱くようになるかもしれません。
そして、そういった考えを持つマンガ家が多いのではないかと思います。従来の価格よりも安く売っている古本を買う人、それを売って金儲けする人、どちらにも嫌悪感を抱くのではないでしょうか。おそらく、私もマンガ家だったら、同様だったかもしれません。・・・頻繁にブックオフに通い、マンガを物色しているくせに・・・・・・。
つまり、立場が違うと、ブックオフなどの古本屋に対するイメージは、かくも大きく異なるということです。マンガ家や出版社と、マンガを読む私達との間では、好きと嫌いほどの差があるのです。
本を読む側にしてみれば、興味のある本を安く手に入れることができる古本屋は重宝したいものです。しかし、作家や出版社の場合は、本来得られるはずの利益を古本屋に奪われているようなものです。それでいて、古本屋は作家や出版社にわずかでもお金を払っているわけではないのです。前にニュース記事でそのような旨が書かれていたのを覚えていますが、まあ、その辺は割愛します。
では、古本屋は作家や出版社にとって、敵なのでしょうか?
私なりの答えとしては、イエスでもノーでもないと言ったところでしょうか。そう記すと、あまりにも優柔不断だと思われるかもしれませんが、実際、「どちらとも言えない」いや、「どちらとも言える」のほうが正確かもしれませんが、そういった選択肢が見事に当てはまると思うのです。
まず、古本屋・・・・・・と言っても、私がよく行くブックオフがモデルになるのですが、そこでは棚に並べられている本は簡単に立ち読みができます。つまり、ビニールがかけられていないのです。普通の本屋だとビニールがかけられていて、立ち読みができません。中にはできるところもあるのかもしれませんが、大多数はできないようになっているはずです。そのため、表紙などを見て興味を抱いても、「どんな内容だろうか?」という疑問にはなかなか答えられていません。一部の本は裏表紙に簡単なあらすじがつづられていますが、すべてではありません。確かに、「あらすじ読んじゃうと、作品が台無しだ」という人もいますが、価格によっては中身を知らずに買うのはかなりの冒険というものもあります。そういった時、どうするか?古本屋でその作品を探して、とりあえず立ち読みをして、内容をある程度把握してやっと買うかどうか決断をします。もちろん、ここで全部読むのは作品を執筆した人や本にして出版した会社、そして古本屋にも迷惑ですし、言語道断です。読んでも最初の1話まで。それまでに自分の好みに合うのかを見極めるのです。
ということで、ひとつ、古本屋は作品の試し読みを提供していると見ることができます。もちろん、既刊分は古本屋で集められてしまう可能性は高いです。しかし、未完のものは先が気になるということで、マンガ雑誌を買ったり、古本ではない単行本の続刊を買ったりするようになるはずです。・・・まあ、そういう考えの人がどれほどいるのかはわかりませんが。
次に、何気なく古本屋を訪れた人が、ふと手に取ったマンガにすっかりはまってしまい・・・というように、立ち読みができる古本屋は、新たなマンガの出会いをも提供していると言えます。実際私も、あるマンガを偶然ブックオフで見つけて、すっかりはまったという経験を何度もしています。そして、続刊のものは本屋で買って・・・という感じです。
まあ、経験則なので、説得力の強さの如何は何とも言えませんが、見方を変えるとそういう出会いの場でもあると言えます。それに、すぐに全巻揃えるという場合、古本屋だとなかなかいっぺんにというわけにはいきません。少ない巻数で完結していればともかく、そうでないと結構飛び飛びというのも多いですから。
ということで、今回は古本屋についていろいろと記してきました。今はデジタル書籍がブームの兆しを見せていて、古本屋の先行きも不透明ですが、出版社なども古本屋を悪く言うのではなく、言葉は悪いですが、うまい具合に「利用する」ことを考えるべきだったのではないでしょうか。デジタル書籍も、音楽のダウンロード販売同様、「かゆい所に手が届く」とは言い難い品ぞろえになるかもしれません。・・・結構、私のほしい曲がiTunes Storeに売っていないことが多いのです。デジタル書籍も、そうなるのではないかと思います。そうだとしたら、古本屋の出番です。
もちろん、売り上げなどダメージは小さくはないでしょう。しかし、壊滅するとは思えません。規模は小さくなったとしても、生き残ると思います。私のような人にとっては「味方」になりながら・・・。