新体制に移行してから初めて取り上げる漫画の作品は、『うる星やつら』中期の話の「最後のデート」です。この話、比較的ギャグは少なめです。しかし、なかなかいい話です。
大まかな内容です。
~物語は一冊の日記から始まる。そこには、日記をつづった女の子の、一人の男の子への憧れが記されていた。女の子は病がちで、病床から元気そうに走り回る男の子を見ているうちに、だんだんと気持ちを伝えたくなった。しかし、日記につづられた思いを叶えることは、できなかった。
女祈祷師のさくらに呼び出されたあたるは、ある女の子とデートをして欲しいと告げられる。あたるは手渡された日記を読み、相手が幽霊だとわかり不安を覚えるも、その姿を見るとすぐに、女の子に関心を持つ。
さくらがあたるにデートを斡旋したのは、その女の子が成仏できるようにするためである。女の子が成仏できれば、デートが成功しようと失敗しようと構わないという考えである。
望という名のその女の子は生前、あたるのためにマフラーやセーターなどを編んでいた。しかし、今は夏。セーターなどは季節はずれだが、望が亡くなったのがクリスマスなので仕方がない。あたるは嫌な顔をせずに、渡されたマフラーや毛糸の帽子を身に付けた。だが、そのあとにセーターもあると聞き、さすがに逃げ腰になる。しかし、セーターを編んでいる途中に死んでしまったと聞き、着ることを決意した。
毛糸の帽子、マフラー、セーター、そしてレッグウォーマーを身に付け、あたるは望とデートを開始する。映画を見て、遊園地で遊び、食事をして楽しむ。
だが、夜になっても望は成仏しない。どうやら、最後の日記にある「真っ白い雪」が原因らしい。雪の中、セーターを着たあたると腕を組み、時を過ごしたい・・・。しかし今は夏、雪など降るはずがない。成仏できないまま冬まで待つしかないのだろうか。
すると突然、パパーンと花火が打ち上げられる。白い花火から発する光があたると望を包み込む。笑顔のあたると腕を組む。満面の笑みのまま、望の姿が消えていく・・・。あたるはセーターを着たまま、その余韻に浸る。
その後、あたるは望の墓前に花を供える。せみが命の限り声を上げる中に、男と女が消えていく・・・。~
あたるが女の子に優しいのは、作品を読んでいれば誰もがわかることですが、この話は特にその性格が前面に出ています。暑い中我慢して、(本人の前では)文句を言わずにセーターなどを着続けるところや、「あまり美人じゃない」と卑下する望に対して「チャーミングだ」と言ってみせたところからも窺うことができますが、普段のナンパ癖を望の前で見せずに、望が持つあたるに対するイメージを損なわないようにしていたところからも見て取ることができるのではないでしょうか。
そして、最後の別れ。望は生きているときにやり残したことを全てやり終え、あたると腕を組みながら徐々に姿を消したあとの場面。もう望はいないのだから、いつまでも暑苦しいセーターなど、すぐに脱いでしまえばいいものを、あたるはそうしません。望がいなくなったあとも、その余韻に浸るかのように、セーターを着たまま夜空を見上げているのです。そのときの表情は・・・・・・。
普段はガールハントを手当たり次第行い、学校でも見境なく女の子に手を出すあたるの違った一面を見ることができるこの話は、『うる星やつら』の新装版24巻で読むことができます。そのほかにも、文庫版、愛蔵版、コミックス(当初の単行本)も出ているので、そちらでも読むことができると思います。興味を持った方、ぜひ一読を。
大まかな内容です。
~物語は一冊の日記から始まる。そこには、日記をつづった女の子の、一人の男の子への憧れが記されていた。女の子は病がちで、病床から元気そうに走り回る男の子を見ているうちに、だんだんと気持ちを伝えたくなった。しかし、日記につづられた思いを叶えることは、できなかった。
女祈祷師のさくらに呼び出されたあたるは、ある女の子とデートをして欲しいと告げられる。あたるは手渡された日記を読み、相手が幽霊だとわかり不安を覚えるも、その姿を見るとすぐに、女の子に関心を持つ。
さくらがあたるにデートを斡旋したのは、その女の子が成仏できるようにするためである。女の子が成仏できれば、デートが成功しようと失敗しようと構わないという考えである。
望という名のその女の子は生前、あたるのためにマフラーやセーターなどを編んでいた。しかし、今は夏。セーターなどは季節はずれだが、望が亡くなったのがクリスマスなので仕方がない。あたるは嫌な顔をせずに、渡されたマフラーや毛糸の帽子を身に付けた。だが、そのあとにセーターもあると聞き、さすがに逃げ腰になる。しかし、セーターを編んでいる途中に死んでしまったと聞き、着ることを決意した。
毛糸の帽子、マフラー、セーター、そしてレッグウォーマーを身に付け、あたるは望とデートを開始する。映画を見て、遊園地で遊び、食事をして楽しむ。
だが、夜になっても望は成仏しない。どうやら、最後の日記にある「真っ白い雪」が原因らしい。雪の中、セーターを着たあたると腕を組み、時を過ごしたい・・・。しかし今は夏、雪など降るはずがない。成仏できないまま冬まで待つしかないのだろうか。
すると突然、パパーンと花火が打ち上げられる。白い花火から発する光があたると望を包み込む。笑顔のあたると腕を組む。満面の笑みのまま、望の姿が消えていく・・・。あたるはセーターを着たまま、その余韻に浸る。
その後、あたるは望の墓前に花を供える。せみが命の限り声を上げる中に、男と女が消えていく・・・。~
あたるが女の子に優しいのは、作品を読んでいれば誰もがわかることですが、この話は特にその性格が前面に出ています。暑い中我慢して、(本人の前では)文句を言わずにセーターなどを着続けるところや、「あまり美人じゃない」と卑下する望に対して「チャーミングだ」と言ってみせたところからも窺うことができますが、普段のナンパ癖を望の前で見せずに、望が持つあたるに対するイメージを損なわないようにしていたところからも見て取ることができるのではないでしょうか。
そして、最後の別れ。望は生きているときにやり残したことを全てやり終え、あたると腕を組みながら徐々に姿を消したあとの場面。もう望はいないのだから、いつまでも暑苦しいセーターなど、すぐに脱いでしまえばいいものを、あたるはそうしません。望がいなくなったあとも、その余韻に浸るかのように、セーターを着たまま夜空を見上げているのです。そのときの表情は・・・・・・。
普段はガールハントを手当たり次第行い、学校でも見境なく女の子に手を出すあたるの違った一面を見ることができるこの話は、『うる星やつら』の新装版24巻で読むことができます。そのほかにも、文庫版、愛蔵版、コミックス(当初の単行本)も出ているので、そちらでも読むことができると思います。興味を持った方、ぜひ一読を。