今回からいよいよ新体制での掲載を開始します。以前にも記しましたが、一つの漫画や小説を取り上げる以外にも、その作品の中の一つの話、短編集の中の一作品、さらには音楽についても触れていく所存です。
そんな新体制で最初に取り上げる作品は、北条司さんの短編集に収録されている『ねこまんまおかわり』という作品です。この作品は、北条さんの公式ホームページで自身でも語っているように、『シティーハンター』の店子シリーズとスタッフ間では呼ばれているそうです。
そんな『ねこまんまおかわり』の大まかな内容です。
~フリーカメラマンの森山裕一はあるスクープ(ある大臣と大物女優との密会)を狙って、ホテルの外(屋上から下げたロープで自身をくくっている)で待ち伏せている。するとそこに、料理人から逃走している猫が森山の頭上から転落してくる。森山はその猫を救ったものの、壁面を蹴っていたため、そのまま部屋の窓を破り、狙っていたスクープの舞台に突入してしまった。
仕事に失敗した上に有り金もなく、空腹にも耐えかねたため、コンビニ強盗を試みたが、その直前に一人の女性に声を掛けられる。何でもその女性は、先日助けた猫の飼い主だと言う。
美久という名のその女性は森山に、猫を助けたお礼として、食事を振舞う。その料理が、ねこまんま・・・。しかし、見た目とは裏腹に、おそらく空腹のためでもあろう、森山はそれをおいしく食べきった。
その後も森山の元に美久はたびたび訪れた。そして美久が夜12時を前に帰っていくと、彼女の飼い猫のミャアが森山のアパートにやってくる。
ある日、森山は美久に自分の夢を語る。その夢を聞いた美久は森山をある場所に連れて行く。そこはスタジオで、森山は美久をモデルに写真を撮る。だが、無許可でスタジオに入っていたため、ある有名写真家にその光景を見つかってしまう。しかし、森山が撮った写真を見てその写真家は森山の素質を見抜く、これからもスタジオを自由に使っていいと告げる。
その後、美久をモデルに撮った写真がカメラ大賞の金賞を取る。それからの森山は、仕事が次々と入るようになり、写真家として成功を収める。しかし、相変わらず夜12時を前に美久は帰ってしまう。その日も森山は美久に服を買い、高級料理店で食事をしたが、シャンパンを一口飲んだだけで酔いが回ってしまった美久を連れてそのまま帰宅。ベッドの上に美久を寝かすが、森山が少し目を話した隙に美久は姿を消してしまう。
以来森山は女遊びに興じるようになる。それは美久のことを何も知らないことから来る不安によるものだった。そのことを打ち明けると美久は、次の日のクリスマスイブは夜12時を過ぎても帰らないと約束する。森山に嫌われたくない一心で、美久はあることを隠していたのである。
翌日、クリスマスプレゼントを買った森山は意気揚々と美久の待つ自分の家へと帰っていく。しかし・・・・・・。
雪の降る夜、2匹の猫が、衣服と足跡を残して、闇に消えていく・・・・・・。~
この話は少年ジャンプで『シティーハンター』を連載していたときに製作されたものです。北条さんは「この短編作品が掲載されるのがクリスマスのシーズンだということで、山下達郎さんのかの有名な曲の冒頭の歌詞『雨は夜更け過ぎに雪へと変わる・・・』をイメージして作ったと言うことですが、その内容とはかけ離れたものとなってしまった」と、文庫本のあとがきに記しています(一部記述内容を変更して抜粋)。確かに、山下さんの曲のイメージとは似ても似つきませんが、話としては面白いものとなっています。
まず、主人公の森山が美久との出会いから成功していくという所。ある人との出会いが自分の人生を変えるという典型的なパターンですが、しかしこういったことはよくあるものです。その内容は様々です。「ある人の生き様に感銘を受け、自分も・・・」といったものであったり、「ある人の助力により、大成功を収めた」といった話であったり、はたまた・・・。
また、動物が人間に姿を変えるところも、いろいろな漫画で見られる設定ですが、少なくとも私の場合は、「猫が人間に姿を変える」というものはこの作品で初めて目にしました(特に、人間を騙したりする目的でない内容については)。狐や狸の場合ならいろいろな作品で目にすることはできますが・・・。確か、「動物が人間に姿を変える」とは逆の、「ある条件を満たすと、人間が犬になってしまう」という設定の作品が、高橋留美子さんの短編作品の一つにあったはずです。とまあ、このように細かい点では違いがありますが、人間になったり動物になったりという設定は頻繁に見られます。非現実的なものですが、それはそれで話によっては面白くなります。
そして、クライマックス。オチがばれてしまうので、細かくは記しませんが、要するに、「一見不幸な出来事に遭遇したが、それが結果として良い事になった」ということです。見方によっては、不幸な出来事に遭遇し、暗い気持ちに陥りがちですが、必ずしも不幸なことはつらいものとは限らないとも受け取れます。不幸に遭遇しても絶望する必要はなく、場合によってはそれがチャンス(もしくは転機)になることもあることを示しているように思えます。
短編作品とはいえ、内容は盛りだくさんです。興味を持った方はぜひ一読を。・・・・・・それにしても、映像化しないかなぁ。
参考・・・
北条司公式ホームページ
http://www.hojo-tsukasa.com/
そんな新体制で最初に取り上げる作品は、北条司さんの短編集に収録されている『ねこまんまおかわり』という作品です。この作品は、北条さんの公式ホームページで自身でも語っているように、『シティーハンター』の店子シリーズとスタッフ間では呼ばれているそうです。
そんな『ねこまんまおかわり』の大まかな内容です。
~フリーカメラマンの森山裕一はあるスクープ(ある大臣と大物女優との密会)を狙って、ホテルの外(屋上から下げたロープで自身をくくっている)で待ち伏せている。するとそこに、料理人から逃走している猫が森山の頭上から転落してくる。森山はその猫を救ったものの、壁面を蹴っていたため、そのまま部屋の窓を破り、狙っていたスクープの舞台に突入してしまった。
仕事に失敗した上に有り金もなく、空腹にも耐えかねたため、コンビニ強盗を試みたが、その直前に一人の女性に声を掛けられる。何でもその女性は、先日助けた猫の飼い主だと言う。
美久という名のその女性は森山に、猫を助けたお礼として、食事を振舞う。その料理が、ねこまんま・・・。しかし、見た目とは裏腹に、おそらく空腹のためでもあろう、森山はそれをおいしく食べきった。
その後も森山の元に美久はたびたび訪れた。そして美久が夜12時を前に帰っていくと、彼女の飼い猫のミャアが森山のアパートにやってくる。
ある日、森山は美久に自分の夢を語る。その夢を聞いた美久は森山をある場所に連れて行く。そこはスタジオで、森山は美久をモデルに写真を撮る。だが、無許可でスタジオに入っていたため、ある有名写真家にその光景を見つかってしまう。しかし、森山が撮った写真を見てその写真家は森山の素質を見抜く、これからもスタジオを自由に使っていいと告げる。
その後、美久をモデルに撮った写真がカメラ大賞の金賞を取る。それからの森山は、仕事が次々と入るようになり、写真家として成功を収める。しかし、相変わらず夜12時を前に美久は帰ってしまう。その日も森山は美久に服を買い、高級料理店で食事をしたが、シャンパンを一口飲んだだけで酔いが回ってしまった美久を連れてそのまま帰宅。ベッドの上に美久を寝かすが、森山が少し目を話した隙に美久は姿を消してしまう。
以来森山は女遊びに興じるようになる。それは美久のことを何も知らないことから来る不安によるものだった。そのことを打ち明けると美久は、次の日のクリスマスイブは夜12時を過ぎても帰らないと約束する。森山に嫌われたくない一心で、美久はあることを隠していたのである。
翌日、クリスマスプレゼントを買った森山は意気揚々と美久の待つ自分の家へと帰っていく。しかし・・・・・・。
雪の降る夜、2匹の猫が、衣服と足跡を残して、闇に消えていく・・・・・・。~
この話は少年ジャンプで『シティーハンター』を連載していたときに製作されたものです。北条さんは「この短編作品が掲載されるのがクリスマスのシーズンだということで、山下達郎さんのかの有名な曲の冒頭の歌詞『雨は夜更け過ぎに雪へと変わる・・・』をイメージして作ったと言うことですが、その内容とはかけ離れたものとなってしまった」と、文庫本のあとがきに記しています(一部記述内容を変更して抜粋)。確かに、山下さんの曲のイメージとは似ても似つきませんが、話としては面白いものとなっています。
まず、主人公の森山が美久との出会いから成功していくという所。ある人との出会いが自分の人生を変えるという典型的なパターンですが、しかしこういったことはよくあるものです。その内容は様々です。「ある人の生き様に感銘を受け、自分も・・・」といったものであったり、「ある人の助力により、大成功を収めた」といった話であったり、はたまた・・・。
また、動物が人間に姿を変えるところも、いろいろな漫画で見られる設定ですが、少なくとも私の場合は、「猫が人間に姿を変える」というものはこの作品で初めて目にしました(特に、人間を騙したりする目的でない内容については)。狐や狸の場合ならいろいろな作品で目にすることはできますが・・・。確か、「動物が人間に姿を変える」とは逆の、「ある条件を満たすと、人間が犬になってしまう」という設定の作品が、高橋留美子さんの短編作品の一つにあったはずです。とまあ、このように細かい点では違いがありますが、人間になったり動物になったりという設定は頻繁に見られます。非現実的なものですが、それはそれで話によっては面白くなります。
そして、クライマックス。オチがばれてしまうので、細かくは記しませんが、要するに、「一見不幸な出来事に遭遇したが、それが結果として良い事になった」ということです。見方によっては、不幸な出来事に遭遇し、暗い気持ちに陥りがちですが、必ずしも不幸なことはつらいものとは限らないとも受け取れます。不幸に遭遇しても絶望する必要はなく、場合によってはそれがチャンス(もしくは転機)になることもあることを示しているように思えます。
短編作品とはいえ、内容は盛りだくさんです。興味を持った方はぜひ一読を。・・・・・・それにしても、映像化しないかなぁ。
参考・・・
北条司公式ホームページ
http://www.hojo-tsukasa.com/