前編では「自動放送」について取り上げました。後編では本題に入ります。

 自動放送は様々な場所で使われていることは前回記しました。その中でも私にもっともかかわりのあるものは、電車や駅での自動放送です。特に電車の中の自動放送は、車掌の仕事の軽減に一役買っている野ではないでしょうか。かつては、
「次は代々木上原」
といった具合に、次の駅の案内は車掌が伝えていました。最近はその多くを自動放送が代わって行なっています。そして、皮肉なことに自動放送のほうが聞き取りやすいのです。

 では、なぜ車掌のアナウンスは聞き取りにくいのでしょうか?
 もっとも、最近は女性の車掌も増え、彼女たちのアナウンスは聞き取りやすいので、全ての車掌が該当するわけではないことをあらかじめ記しておきます。また、中にははっきりと伝える男性の車掌もいます。
 
 誰もが一度は思ったことではないでしょうか?車掌のアナウンスが聞き取りにくいことは。文章でその声を再現できないのが残念なのですが、電車に乗ったことがある人は、一度は聞いているはずですし、何よりも他では聞けないアナウンスなので、印象に残っているのではないでしょうか?車内以外ではスーパーベルズのモーターマンでも、ボーカルの野月さんが再現しているので、思い浮かばない方は電車に乗るか、そちらを聞くといいでしょう。

 車掌の独特の声については諸説あり、私が聞いたものは、「その独特の声により、周りにいる客の話し声に混じらないようにするため」というものです。電車の中での過ごし方は様々あります。寝る、読書、新聞、ニンテンドウDS、そしておしゃべりです。喫煙、飲酒、覚せい剤、携帯電話でのおしゃべり、球技などは、他のお客さんの迷惑になりうること、もしくは明らかに迷惑なことであるので、やめましょう。別に、そんなことを啓発するために書いているのではないのですが・・・。
 話を戻します。電車の中で話をする人は、必ずどこかしらにいます。話をする人がほとんどいないのであれば、車掌の声が普通のものでも、連絡などを伝えることができるのですが、多数の人が話をしている場合、それらに車掌の声が混じってしまい、伝えるべき情報が伝わらないといった事態が起こりうるので、それを避けるためにあの独特の声を出しているのだそうです。
 また、「昔のスピーカーの性能が悪く、いろいろな声を試した結果、例の声が一番通りが良かったので、その声でアナウンスするようになった。今でもその声を出しているのは名残」という説もありますが、おそらく嘘です。なぜなら、あるラジオ番組でありそうな嘘を紹介するコーナーがあり、そこで紹介されたネタだからです。

 ですが、最近はそれに限らないようです。まず、明らかに女性の車掌は例の声を出していません。しかし、男性の車掌と比べると目立たないだけで、若干特徴のある声でアナウンスしています。やはり、普通とは違う声を出すことで、客の話し声との差別化を図っているのかもしれません。しかし、それを求めすぎて、伝えるべき内容が伝わらないのでは元も子もありません。
 むしろ、ニュースを読むアナウンサーのようにしたほうが、かえって差別化を図ることが容易なのではないでしょうか?昔のアナウンサーのような声です。はっきりとした話し方をすれば伝わる気がします。

 いずれにせよ、車内放送は自動音声に取って代わられています。車掌のアナウンスは、主要駅での乗り換え案内や、緊急停車したときの連絡などに限られていくことでしょう。そうすれば自ずと、あの独特の声が聞かれなくなるかもしれません。それがいいことなのか悪いことなのかは、わかりません。感じ方は人それぞれです。車内のあの独特のアナウンス、あなたはどう感じますか?