いつも、見てくれる皆さん、たまたま見てくれた皆さん。
今回も絵本の紹介、やっちゃいます。
さて、今日から広島県で「G7」先進7か国首脳会談が始まりました。
「ヒロシマ」で開催することの意味、意義について、参加した国の「責任者」はどこまで理解し、世界に向けてどんな発信をするでしょう?
「戦争」という、まさに「戦い」「争う」ことの惨たらしさ、悲しみと憎しみを生み、戦勝国は負けた国を侵略し「国益になる」全ての事を取り上げ奪い取ってしまう。
国民の全てが戦争行為を肯定するなら仕方がないけど、一握りの権力者の為に多くの国民が犠牲になり、親睦を深めた異国の友とも、分断され・・・。
「核」という、人類が持つべきでは無かった「後世にまで残るような大火」を持つ国々で、世界を「チカラ」で均衡を保つ恐ろしさ。武力で「平和を維持する」矛盾。
「本当の」世界平和はいつ訪れるのでしょう?
今回は「核」をキーワードとして絵本を紹介します。
まずは👇
copyright by 岩崎書店©
作 松本猛・松本春野
絵 松本春野
主人公の小学生まやは福島県からお母さんの実家のある広島県に引っ越してきました。それは、東日本大震災で福島県にある原子力発電所が大津波により人が住めなくなるような事故を起こしたから。
福島県に住んでいた時は、サッカーをしたり外で元気に活動する女の子でした。
でも、原発事故をきっかけに、「サッカーをやらない」と決めました。
引っ越し先の隣の家には男の子、だいじゅ君が済んでいます。将来はサッカー選手になるという「夢」を持っています。
こんな二人が交流を重ねながら、仲良くなり原発や放射能の事を考え、将来について語ります。
本の巻末には、作者、松本猛さんがこの本を手にする子供達へのメッセージや希望と疑問について説いています。
copyright by 岩崎書店©
作 松本猛・松本春野
絵 松本春野
便利さを追求しすぎると、人は堕落しやすくなります。他人との関わり方が希薄になります。
自分が楽をすれば、誰かがそのしわ寄せを受けています。
快適な暮らしの為に「電気」を使います。機械を使います。
快適さを追求し過ぎた結果、今迄の方法では電気が足りなくなり、より多くの電気が必要になりました。その結果、「原子力」という、人の力では、コントロールも出来ないような「バケモノ」に手を出してしまいました。
原子力発電は、発電後に、「とても危険な」放射能を含んだ廃棄物が残ります。ゴミを燃やした後に残る「灰」とは違います。今、原子力発電で出た、廃棄物は、皆さんが大人になったころにも、きちんとした処理が出来ずに残る事でしょう。他人に優しくなるためにも、今よりちょっとだけ不自由でもいいかなぁ・・・なんて思いました。
興味がある方は是非、本屋さん、図書館で見つけてみて下さい。読み終えた後、あなたの心には何が残りましたか?
次は👇
copyright by 文研出版©
文 指田 和
絵 野村たかあき
「ヒロシマの命の水」
この本は、「ヒロシマ原爆の語り部」のお婆ちゃんのお話し。
お婆ちゃんの名前は「宇根利枝(うねとしえ)」。西暦1945年8月6日、広島県に世界初の核爆弾が落とされました。
宇根さんは、その時の「被爆者」。その経験を後世に語り継ぐ「語り部」として平和祈念館に訪れた方々に、その体験を通じ、戦争の恐ろしさや醜さ、原爆で受けた街や人々の様子を語ってくれます。
「原爆献水」(げんばくけんすい)という言葉、意味を知ってますか?ワタシは、この本を読んで初めて知りました。
原爆で被災され、被爆した人は大火傷や、喉の渇き、放射能の影響で体内が熱くて、皆、水を欲しがりました。
「原爆」と言えば、「放射能汚染」と紐づけられますが、その当時は、原爆は「毒物をまき散らす」爆弾だと思った人も沢山いたんだとか。それで、川や井戸などの水を飲むと死んでしまうと思い込みや噂などで、飲んだり浴びたりすることを我慢するしかありませんでした。被災当初、こぞって川に飛び込んだりした理由の一つとして、「どうせ死ぬなら水を飲んで喉の渇きくらい潤したい」とか「体を冷やして楽に死にたい」と「本能的に」行ったのではないかと思いました。
「放射能による」大火傷は、不衛生な河川に入ればたちまち、雑菌などが体内に入り多くの命を奪いました。
宇根さんは、そういう風景や、経験から、当時、「水が欲しい」と懇願されたけど、出来なかった事を思い出し、「何もしてやれなかった」後悔から、戦後10年経った頃に、その思いを叶えようと、「献水」をするようになりました。
それは、やがて、広島市が行う「平和祈念式典」の中に取り入れられ、「原爆献水供養」として毎年行われています。
人生の半分以上をこの地道な活動をしてきた「宇根」さんは、その後、「広島市政功労賞」を受賞されています。
copyright by 文研出版©
文 指田 和
絵 野村たかあき
詳細については、この本の巻末に丁寧に書かれていますので、興味のある方には、是非、手に取って頂きたい1冊。
もしかしたら、小学校の副読本などで採用されている、または、推薦図書として図書館に配置されているかもしれません。
読み終えた後、あなたの心には何がのこるでしょう?
併せてこちらも。(リンク集は無効です)
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