ちょっと恐い作り話です
苦手な方は、昼間読むか、読まないでね ^_^;
モノオキ
私の実家は農家だった
家の周りに林が無くなり宅地や団地が出来ても、農業をやめようとはしなかった
まあ、ガンコ親父だったからね
そんな農家の母屋は、平屋で横に長く一部壁は土塀
関東大震災の前から建っているらしい
めちゃ古いのに頑丈という、親父とそっくりな家だった
そんな母屋と一緒に作られた件(くだん)のモノオキ
それは物置としては大きなほうで、まるで小さな一軒家だった
物置なので当然窓はない
銅板を貼った引き戸を開けるために、指をかけるための穴が一つあるだけ
しかし木造なので鼠や蛇はスキマから平気で入ってくる
冬場は冬眠、夏場は暑さしのぎ
物置の中は調度いいのよね
でもそんなふうに思えるのも動物まででね、
夜のモノオキは子供にとって失神するほどの恐怖の対象よ
大人だって夜に真っ暗なモノオキに行くのイヤだものね
そのモノオキ
実は、蛇でも鼠でもないものが
いたんだよね。。。
いくら言っても誰も信じないけど いたの
子供のころ
何か悪いことや言うことをきかないと、親は恐怖の呪文を唱えるのよ
「モノオキに入れるぞ!!」って
この一言を聞くと、震え上がったものよ
農業をやっている人はね
日々農作業で身体を鍛えているようなもので、以外と筋肉ムキムキなんです
小学生の男の子なんか、ひょいと持ち上げちゃう
泣いていようが手足ばたつかせようが問題なく肩の上まで上げて、
重いモノオキの扉を開け、ほうり投げられてハイさよなら
待って!待ってー!ごめんなさい!開けてー!
泣き叫んだってもう遅い
モノオキの中は闇
唯一指をかける穴から月明かりが差し込み
そこから見える、親父の去っていく姿を見ながら
この闇の中で一人にされるんだという恐怖がじわじわと襲ってくる
そして
一度入れられたら最期
泣こーがわめこーが、どんなに壁叩いて暴れたって開けてはくれない。
真の闇って、目を開けても閉じても変わらないのね。それがまた恐くて
わめきつかれグッタリすると、今度は感覚が鋭くなってくるんだよね
なんかさ
気がついたら、後ろに誰かいるのよ
・・・!
でも怖くて振り返られなくて
気のせいであってほしいって思うんだけど それはいたんだ
だって…。
触れたんだよ ほっぺたに
後ろから さわっ て
気がついたら、朝、布団で目覚めたの
私どうしたんだろう
モノオキのアレは夢だったのかな
でも確かに触られた。と、思う。
家族に確認はできなかった
だってもし、ゆうべはモノオキに閉じこめたよって言われたら・・・。
もう小学生の時のお話だからね
その後どうしたかよく覚えていないんだけど
でも、あれから
夜寝る時は必ず小さな明かりを付けるようになったよ
そして横を向いて寝られなくなった
だってあれ以来、暗くなると背中の後ろに気配がするんだもの…