その男は、いつも不満ばかり抱えてました。
そして、お金こそが、自分を満たしてくれるものだと思い、
稼ぐために仕事を頑張り、手当たり次第に買ったものを並べて、
眺めるのが好きでした。ところが、困った事に、どんなに欲しい物を
お金で手に入れても、満足する事ができませんでした。
ある日、仕事で無理をしすぎたのか、肺炎を患い、倒れてしまいました。

「ここに、おまえが成就すべき道がある。」との声を聞き、その男は、目が覚めました。
窓から注ぐ柔らかな日差しで、あたりを見回すと病室の中でした。
窓の外の屋根にスズメが1羽、いました。屋根づたいに飛び交うスズメの姿は、
冬に向かう厳しい環境でも、自由そのものでした。
その男は、そのスズメの姿を、しばらく追って、眼が洗われるように、つぶやきました。
「心を満たすには、身軽になって、つつましく、生きることなのだ。」と。

補足:この話には、元になった有名な逸話があります。