レザージャケットに限らず、「革モノのメンテナンス」ってなると、アホの一つ覚えみたいにミンクオイルを塗りたくる、、、ってな輩も多い気が。笑
 
ソレ、ダメですからね。
 
-革の表面処理(色の入れ方)によって、メンテナンスの仕方も変わる
 
ってコトを理解して、正しいお手入れしましょうッッ!!
ココでは、専門用語を駆使して、、、では無く、判り易い平易な言葉で説明していきます。
 
 
「メンテナンス」って観点で、レザージャケット等革モノの表面処理を、ザックリと2つに分類すると、、、
-「塗り」(塗装)(顔料処理)
-「染め」(染色)(染料処理)
に大別できる。
 
「塗り」ってのは、ペンキで壁を塗る如く、革の表面の上に塗料を塗って色を付けているモノで、革の上に塗膜が一枚のってる状態で、革は表面に出ていないモノ。
 
「染め」ってのは、革の表面を染料で染めて色を付けているモノで、革の表面が(文字通り)表面に出ているモノ。
イメージはこんな感じで。
左が「塗り」で、右が「染め」です。
「塗り」の革の代表的なモノは、自動車や家具の本革シートとか。
「染め」の革の代表的なモノは、靴とかヌメ革のサイフとか。
 
「塗り」と「染め」の革の見分け方ですが、革にシャワーなどで水を掛けた際に、水をはじくのが「塗り」で、雨染みができるのが「染め」です。
ソレは、「塗り」は革の表面に塗膜がある為、水が染み込み辛いのに対し、「染め」は革の表面が出ているので、水が染み込み易いからです。
 
 
さてさて、ココまで書けば、革の表面処理によって、メンテナンスの仕方が変わる理由も判るかと。
「塗り」の革には、塗膜層が表面にあるので、その上にオイルを塗っても革に浸透する筈も無く、全く意味の無い行為になってしまいます。
「染め」の革を粗雑に扱うと、表面に革そのものが露出しているので、革本体を傷つけるコトになってしまいます。
 
 
ってコトで、、、よぅやっと本論の「レザージャケットのメンテナンス」の話に。笑
今まで書いた「塗り」「染め」の両方を備えたレザージャケットを使って、メンテナンスの説明を。ってコトで、B-3を見本に。
このジャケット、ボディ(黒い部分)が「塗り」で、腕の補強とポケット(茶色の部分)が「染め」になっています。
 
先ず、普段のお手入れですが、ブラシやウエスで乾拭きしてあげれば問題ありません。
 
で、たまに硬く絞った濡れウエスで拭いてあげれば、綺麗な表面状態を維持できます。
だが、乾拭きやブラッシングでは、油汚れを除去するコトはできません。
 
、、、って「塗り」「染め」の違いが出て来ないジャン。って。笑
コっからが本題。
例えば雨で塗れてしまった。とか、バイクで使っていて油汚れがついてしまった。とか、古着で購入してカビが生えてる(>_<)とか、表面状態が悪い場合の、重メンテナンスの時に、「塗り」「染め」でメンテのやり方に差が出てきます。
 
革の表面を綺麗にするのに、靴では専用のリムーバーやレザーシャンプーを売ってますので、
ソレを流用するのも無難ですが、、、
要は洗剤、界面活性剤ですので、キッチンの中性洗剤(ママレ○ン)でも成分的には全く同じです。
ですが、キッチン洗剤を「染め」の革に使ってしまうと、油分が抜けすぎてしまいます。
 
また、YouTubeで「レザージャケット洗濯してみた」的な動画が多数UPされていますが、コレもお薦めできません(>_<)
レザージャケットは洗濯を前提に作られていないモノもあり、接着剤を使ったり、水に弱いライニングを使ったモノを洗濯してしまうと、悲惨なコトになります。
 
しかし、表面を洗って清潔にするコトは、間違った話じゃあ無く、カビや臭い、汚れ落としには最大の効果を発揮します。
 
 
ですので、、、用意するのはバケツとウエスと中性洗剤。
大量の水(お湯のがベスト)に、チョコっと中性洗剤を入れた溶液にウエスを浸し、硬く絞って革の表面を拭ってあげれば、普段使いでの汚れを落とすコトができるでしょう。
 
で、古着で買って汚れやカビが、、、的な時は、重メンテが必要になってきますが、その際は、
①表面を十分に水で均一に濡らす(染め部がムラにならぬ様に注意)
②洗剤を使って(泡立てて)革表面を洗う
③綺麗な水とウエスで、洗剤を拭き取る(シャワーで洗い流すのもテかと)
洗剤分を残さず拭き取る、手早く処置してビショビショにしないのがポイントです。
コレで革の表面は綺麗になりますが、このままだと「染め」部の油分が抜けてしまっているので、、、
④「染め」革部に油分補給でクリームを塗ってあげる
重複しますが、「塗り」部は塗膜があるので、その上からクリーム塗っても保湿には無意味です。
(別の理由でクリーム塗る意味があるのですがソレは別記します)
 
ココでのポイントは2つあって。
-クリームは「油性」か「乳化性」か?
-クリーム塗布は革が「乾く前」か「乾いた後」か??
コレは諸説あって、ナニが正解で、、、ってのは無いので、皆さんの好みで良いのかと。笑
 
ちなみに私は、乳化性のクリームを、乾く前に塗り込む方が効果あると思ってますが、シミやムラの原因になるのでお薦めはしません。笑
 
最後にマメ知識。
レザーを洗う時に使う洗剤ですが、、、「ヘアシャンプー」が使える。
とか、乳化性クリーム代わりに、、、「ハンドクリーム」が使える。
 
とかとか。
 
 
ちなみに画像のB-3、古着で安価に購入した際はカビ生えてキッタナイ(>_<)状態でしたが、表面を洗う重メンテを施すコトで(内側は濡れウエス拭きと丁寧なブラッシング)、着られる状態に復活しました♪
 
そんなメンテナンスも含めて、お洒落ですからね♪
 
ソレともう一つ、マメ知識。
レザージャケットはハンガー掛けで保管すると、自重があるので肩が抜けてしまいます(>_<)
だので、、、
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平置きするか、こんな風に立てて保管するのが良いかと。
 
え?どうやって立てるかって??
、、、中身はダンボールを芯にして立ててるだけです。笑