桜の花びらが散れていた
そして目の前に大きな木
花が散れても
なお美しい
枝には新しい生命
ミツバチの巣

散るまで美しいこの木は
忘れている何かを
教えてくれた
風と共に
フワッと
僕に
微笑みかけた気がした

忘れているのは
この感覚
この美しさ
誰に見られなくても
生きている姿
見せかけの美しさじゃない


お金では買えない
貴重な時間
その絵の具では出せない
淡いピンク
エゴだらけじゃない
凛とした自己の表現

ぼんやりと見とれていた
鳥が僕をクスッと笑った
この花びらの形は
どこかで泣いている
あの娘の爪の形にも
似ていた

とても淡く優しい午後