こんにちは。行政書士の名倉武之です。

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さて、いよいよ2024年7月3日、新札発行を迎えようとしています。「タンス預金」の炙り出しというネット記事も散見されます。当ブログでもご紹介させていただきました。

今回は多くの方が関心を持たれる「相続税」に関する基本事項を記載します。

相続が発生すると、被相続人（故人）の遺産調査（又は、財産調査）を開始します。遺産調査では、金融機関の口座（預貯金）、不動産（土地・建物）が代表的ですが、その他にも『金融機関に預けていない、ご自宅などで保管の現金（タンス預金）』も当然ながらプラスの財産として調査対象になります。このタンス預金は、

総資産100兆円

とも言われています。これだけの規模のお金です。先のブログでもご紹介しましたが、「タンス預金を狙った詐欺」、「相続税の申告（未申告でバレる！可能性もあり）」等、意識をされた方がよろしいかと思います。

さて、小職（行政書士）の職務上、相続が発生しますと、「相続人の確認」「遺言書の確認」「遺産調査」「遺産分割協議書作成」等

の業務を承ります。

そして、ご相談を受けた際に、ご相談者（相続人）の多くが気にされることは、

相続税の申告（申告の要否）

です。先ず、相続税がかかるか・かからないかを気にされる方が多くいらっしゃいます。相続税の申告（相続税の他、贈与税など）には、専門家（税理士）の判断が必要不可欠ですが、その判断前の「遺産調査」において、プラスの財産とマイナスの財産を列挙します（なお、相続税の申告には、生命保険金などの「みなし財産」と呼ばれるものも加算されます）。

そこで、今回は、ご相談者の多くの方が関心を持たれる、相続税の基本について一部ご説明させていただきます。

なお、上述しましたが、税金のご相談は専門家（税理士）の判断を要しますので、今回のご紹介は、国税庁HPに記載されている公知の範囲内とさせていただきます。

以下、相続税に関する図表は、国税庁HPより抜粋しましたので、詳細はこちらにてご確認ください。

課税遺産総額の計算

遺産額を特定する場合、非課税財産など、加算しない（総額から控除する）財産の把握が必要です。
「相続時精算課税の適用を受ける贈与財産」とは、生前贈与の場合、2,500万円（累計）まで贈与税を非課税としますが、《相続時精算》との言葉の如く、贈与者である被相続人が亡くなった時、相続税の算出には、過去の生前贈与分を加算します。
また、ここで、最も基本的なことと言えば④「基礎控除額」です。

《基礎控除額》3,000万円＋600万円×法定相続人の数

（注）例えば、法定相続人が4名（A～D氏）とします。被相続人が生前「遺言書」を作成され、遺言書には、『遺産をA氏とB氏の2名に相続させる』と合った場合、法定相続人の数は4名ではなく2名と勘違いされる方がおられますが、正しくは4名です。

相続税の計算

相続税の計算には、上述の「基礎控除額」を用います。遺産調査の結果、正味の遺産額が、基礎控除額の範囲内であれば、相続税の申告は不要です。
相続税の計算では、課税遺産総額を法定相続分であん分した額に、税率を乗じた額（上図では、「妻＝1,580万円、子（各人とも）＝560万円」）が、各相続人の相続税額と勘違いされる方がいらっしゃいますが、間違いです。
正しくは、上図のように「相続税の総額」を基にあん分し、更には、税額軽減などを考慮し算出します。

妻＝1,580万円ではなく、妻＝0円

子＝560万円ではなく、子＝675万円

以上、簡単に相続税の基本的な考え方を説明させていただきましたが、ご紹介した事項以外に、相続税の算出には、「不動産価額の算出、小規模宅地の減額（お住まいの土地の80%減額）」など、他にも専門的な判断を要します。

よって、相続人が自ら判断せず、不明点は最寄りの税務署、あるいは、専門家（税理士）にご相談されることをおススメします。

当事務所でも、相続人の確認遺言書の確認遺産調査遺産分割協議書作成等のご相談・お手伝いをさせていただきます。小さなことでもお気軽にご相談ください。