こんにちは。行政書士の名倉武之です。

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今朝(9/18)、

ヒズボラ戦闘員のポケベルが同時爆発

(ヒズボラ:レバノンのイスラム教シーア派組織)

という、ショッキングなニュースが飛び込んでまいりました。元、無線通信の研究者である私としては、無線通信機器を悪用した被害はとても残念に思います。

『レバノンの首都ベイルート近郊など複数の場所で同日、ポケットベルのような通信機器が相次いで爆発し、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの戦闘員を含む1000人以上が負傷したと報じた。同通信によると、ヒズボラは声明で、少女1人を含む3人が死亡』※

※(出所)読売新聞オンラインより(『』は読売新聞オンラインの記事より一部抜粋)

 

事故の詳細は不明ですが、おそらく、

サイバー攻撃(マルウェア感染)

の可能性が高いと考えられます。以前、当ブログでサイバー攻撃(マルウェア感染)について触れました(マルウェア:悪意のあるソフトウェア)。

近年、マルウェア感染した通信機器等を誤動作させたり、制御不能にしたり、機器内の個人情報を盗んだりする被害が多発しています。そこで、今回は、最近の無線通信機器に関する被害と対策について、取り上げたいと思います。

 

  スマホのバッテリー爆発

最近、スマホ等の充電には、利便性の高い「ワイヤレス充電器(以下、充電器)」を利用されている方が多くいらっしゃいます。充電器の上や近距離にスマホを置いて充電します。充電器とスマホは「Qi(チー)規格」という「ワイヤレス充電の国際標準規格」に則り、データをやり取りしています。簡単に説明しますと、

・スマホは充電器に充電状況を通知

・その通知に基づき充電器は給電を制御

・スマホと充電器は、暗号化されていない平文(ひらぶん)で通信(※)

※暗号化されていないため、攻撃を受けやすい

このQi規格の盲点を突かれ、

・充電器を乗っ取り攻撃し

・スマホのバッテリーを過剰に加熱させる

VoltSchemer攻撃に関する論文を、2024年2月、米フロリダ大学の研究者グループが発表しました。上述した給電制御を狂わせ、スマホへの充電をし続けた結果、過剰に充電されたバッテリーが破損・爆発するという新種のサイバー攻撃です。ヒズボラの事故を含め、デジタル社会ならでは問題です。

 

■早期発見と対策

ワイヤレスの充電器を利用されている方で、

  • スマホが高熱状態になる
  • ケーブル充電器だと問題は発生しない

の場合には、充電器を利用しないことをおススメします。また、ケーブル充電器にしても「バッテリーの減りが異常」だと感じた場合、バッテリー劣化という問題ではなく、スマホがウィルス感染し、裏で悪意のあるアプリケーションが動いている可能性もあります。この場合、スマホ内の個人情報は盗まれている可能性があります。

いつもとスマホが違うぞ?

と感じたら、ウィルス感染を疑う必要があります。

スマホに限らず、パソコンも同じです。「動作が急に遅くなった、おかしなメッセージがでる、インストールした記憶がないアプリがある」といった場合には要注意です。このような場合は、スマホもパソコンも、

  • 即、通信を切断
  • 機器を再起動しウィルスソフトを起動

してください。

サイバー攻撃は特定の環境や特定の機器に発生する問題ではなく、日常的に、普段利用している電気製品に対して、悪意をもった攻撃をしているとお感じになることが、未然防止あるいは感染後の被害を最小限に抑えることに繋がります。「自分のスマホやパソコン等は大丈夫」ではなく、「万が一のこともある」と意識することが大切です。今回は、ショッキングなニュースが飛び込んでまいりましたので、サイバー攻撃(ウィルス感染)について取り上げました。

 

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※1 元、無線通信の研究者であり、技術に精通しています

※2 諸問題の未然防止対策や、問題発生後の対応・対策