30分の休憩の後、2部の開幕。

オープニングは
『青春の鐘』

お召しになられたグリーンのジャケットを

「マスターズに優勝して」とはお茶目な舟木さんらしい弁。

『雨の中に消えて』
『あいつと私』
『くちなしのバラード』
『花咲く乙女たち』


歌い終えて

「西條先生はひどいですよね。
“みんなみんな咲いて散る“
3番なんかは“みんなみんな今はない“って。

19の時はあんまりわからずに歌っていたけれど段々わかってきたら・・・。

もともと(西條先生が)純粋詩人だということもあるけれど

こういうおおらかで突き抜けたような純粋な詩は今ではなかなか出てこないし

無くなってしまったような気がする。」

と話されました。

この歌が作られた時代も60年経た今も

日本の社会の潜在的な意識に大きな変化があるとは思えませんが

表面的には男尊女卑の変革やジェンダー平等が叫ばれている今の時代では 

絶体に生まれない歌詞でしょうね。

でも、西條先生の詩を読むと先生の中に男尊女卑の意識は無く

むしろフェミニストでいらしたような気がします。


閑話休題

次は日活の悲恋三部作の主題歌。

『絶唱』
『夕笛』
『残雪』

「最初の2曲は抒情歌だけれど『残雪』は少し違う。」
と仰って

「抒情歌と呼ばれるものには幼い頃から歌っている『さくらさくら』とか『浜千鳥』とか色々あるけれど

他の歌と何が違うかと考えてみたら

抒情歌には温かさ、温もりがある。

内容がどんなに悲しい歌でもその隙間から温もりが伝わってくるのが抒情歌。」

という分析はなるほど!と腑に落ちるものでした。

いつもながら舟木さんの言葉は心に残ります。

今日の1曲。
いつもはステージに乗らない可愛そうな曲。

Aバージョンでは『いつか来るさよなら』を歌われたそうで

「お父さん役の山形勲さんが素晴らしかった。」と。

Bバージョンでは『夢のハワイで盆踊り』

本間千代子さん、コロンビアローズさん、マチャアキ(堺正章さん)、高橋元太郎さん等と共演されたことを懐かしそうに話されました。



そして、Cバージョンは

『成人のブルース』

「このメロディが好きでね。」と仰っていましたが、私も大好きな歌です。

「“うら若き君に寄り添い・・・“って良いですよね。」

と仰りながら

「表はどうか分からないけど(^o^)」

この日唯一の舟木さんお得意の洒落だった気がします(o^-')b !

「『成人のブルース』はスケールが大きい。

遠藤先生の曲でもメジャーなメロディは『みちづれ』にしても『ソーラン渡り鳥』にしてもスケールが大きい。」とも。

そして「このメロディはそのままに違う歌詞をつけて歌ってみたい。」と。

過去にもそういう例はあって

北原謙二さんの『さよならさよならさようなら』が
『宗右衛門町ブルース』になったことを話され

2曲をアカペラで歌われ

「アカペラで歌うと音痴だな。」等とおっしゃりながら

「いつか、他の歌詞をつけてみたいと思っている。」と。

楽しみです。


スタンディングは『銭形平次』

スタンドマイクを片付けながら

「明日からやらなくていい。他の歌でやったりして。」と。

「A~Cバージョンまで1部は11曲、2部は23曲ほど。
今日で280曲(?)ほど終わった。
(このあたりの曲数の記憶はあやふやで間違っているかもしれませんm(__)m)

明日はまた妙な(ニュアンスは違ったかも)歌を歌う」というようなことを。

延べとはいえ、全て何も見ずこの曲数を歌われることだけでも驚異的な記憶力です。

「8(78)まで来たから0(80)まで頑張ろうかと。」

会場からの拍手を受けて

「こちらが頑張ってもダメ。
客席に誰もいなければ出てこられない。」

いつも仰ることですが、今回のコンサートのプログラムに記されていた

舟木さんのご挨拶の
「あなたまかせの・・・」
という題名が

如実にその想いを表しているように感じました。

10月の長野コンサートの折にも言われていたように

これから歌っていきたい歌の1つとしてあげられたご自身作

40周年記念曲『浮世まかせ』の歌詞が込められているのは言うまでもなく

小林一茶の
“ともかくも あなたまかせの年の暮れ“ 

の達観した思いをも彷彿とさせて。

たった七文字の言葉であるにもかかわらず

こうした複数のことがダイレクトに胸に飛び込んでくるように感じました。

話がそれましたm(__)m


トークの後は

変化織りのようなベルベットの金色に見えるベージュの上着に替えて

デビュー当時の歌を5曲

『あゝ青春の胸の血は』
『仲間たち』
『君たちがいて僕がいた』 
『高校三年生』
『学園広場』

いつもながら青春時代の甘酸っぱい想い出が蘇る歌達です。


最後のブロックは 映画の主題歌

『東京は恋する』

長野コンサートで聞いた時とはアレンジが変わって

よりダイナミックになっていたような気がしました。

『北国の街』

『哀愁の夜』
では、久しぶりに
♪若さまかせの~♪の歌詞と口笛が聞けました。

そして

波の音が聞こえ

『その人は昔』のテーマ

上から降る雪のような白い灯りと

その回りの赤の灯りが印象的でした。

アンコールは

『高原のお嬢さん』

バラードバージョンがよりこの歌の哀愁を引き立てて心に染み入ります。

歌が好きで好きで好きで(3回おっしゃいました。)

歌手になりたいと思っていた頃に歌っていた曲。

『高校三年生』より大事な曲。

『湖愁』

CDで聞いた時よりもスケールの大きな歌に聞こえました。



第2部は最初に発表された曲名とはほんの少しの変更もあり



『山のかなたに』が聞けなかったのはちょっぴり心残りではありました。


千秋楽にいらしたお友達から伺ったところによると

学園ソングのブロックはデビュー曲から順を追って歌われ

『君たちがいて・・』は台詞入りだった由。

そしてアンコールには盟友西郷輝彦さんの『君だけを』を歌われたと伺い心震える想いでした。

出来得れば千秋楽も行きたかった。

もっと言えば全バージョン見たかったというのは私のみならずファン全ての切なる気持ちだったでしょう。

それでも1日でも行けて良かった、そしてCバージョンで間違っていなかったと心から思えた

久しぶりの演舞場での熱気溢れるコンサートでした。


帰りのあずさの中で思い出すままスマホにメモした

自分の記憶力のみが頼りのコンサート覚え書き。

その時は記憶に留めたつもりでも

思い出せないこともあり間違いも多々あることと思いますが

ご容赦くださいませ。


大成功のうちに無事に幕を閉じたロングコンサートから数日。

冬至の日の夜半に降った雪がうっすらと消え残る寒い松本ですが

心にはコンサートの熱い余韻が今も残っています。