随分日にちか経過してしまいましたが、7日土曜日
今年最後の平出博物館土曜サロンが開催されました。
演題は『国宝土偶から見た祈りの世界』
講師は茅野市尖石縄文考古館館長の守矢昌文氏。
先月まで千曲市の長野県立歴史館で土偶展が開催され
国宝土偶5点が一堂に会すると話題になりましたが、
残念ながら都合がつかず見に行くことはできませんでした。
その後、ローカルテレビで特集が組まれることを友人から教えて頂き
映像ではありましたが、その様子を見ることができました。
このうちの二つの国宝が尖石考古館所蔵の
縄文のビーナスと仮面の女神であることは
諏訪人のDNAを持つ私としてはちょっぴり誇らしくもあります(^-^ゞ
さて、講演の内容ですが、前回に続きレジュメがなく、
パワーポイントの文字も小さくて私の視力ではよく見えず
遠くを見る眼鏡と手元を見る眼鏡をかけかえている間に話は進み、
走り書きしたメモもおぼつかなく、記憶も曖昧で全く自信がないのですが
とりあえず、覚えている範囲でまとめてみようと思います。
テーマは『縄文のビーナス・仮面の女神の出土状態から見た土偶の役割』
諏訪に二つの国宝土偶が出ているけれど、
縄文中期土偶の出土量を見てみると
ここ塩尻の平出遺跡から出た土偶の方が数としてはずっと多いのだとか。
住居数が多いからと言って土偶が多いとは限らず
物と人の交流が多くあった場所に土偶が多いことがわかる由。
諏訪は土偶の数は少ないけれど、国宝と呼ばれるような質の高い物が出土している。
中部高地には複雑で様々な土偶が混在し
初期の土偶には顔が無いけれど、時代が下がるにつれ、顔がつき立つ土偶になった
縄文のビーナスと似た土偶は他でも出土しているものの
完全な形で出てくるものは数が少なく
そうした上位の土偶はサイズも大きく精巧な作りであるようです。
下位の物は、土坑だけでなく住居跡などからも出土し、
不完全な形の物や破片などで大量出土し、しかも小さいものが多いとのこと。
中部高地の仮面土偶はハート型土偶から派生したものと思われるが、
これも上位の物は中が空洞であるけれど、下位に行くほど空洞で無くなって
どちらも使い方が違うことが考えられるということでした。
国宝二つの土偶の発掘には、守矢さんも関わっていらっしゃいますが
完全な形で出土していること、明らかに穴を掘ってその中に横たえられた形で出てきたこと
そしてその場所が村の中央の様々な副葬品を持つ土坑から出土したこと等から
そこは墓なのではないかと考えられるとのこと。
仮面の女神は、頭部を西に向け埋められていること、土偶の足をもぎ取り
その中に右足の破片や有機物を詰め込み再度破片で蓋をして
元通りに完全な形にして埋められていたことから
これは伝統的な埋葬の所作を踏襲したもので、当時の死生観や蘇生観がわかる由。
墓に埋められたと考えられるこれらのものは、
壊されないように作られたもので存在感があり
技術力の高さが見られ、スペシャルなものであるからこそ技術力が反映されたのではないか
というお話でした。
どのような人が埋葬されていたのかはわかりませんが
そこには死者に対する縄文人の祈りの形のみならず
生きている人間への慈しみや優しさ等の精神性に触れた思いでした。
