昭和の時代、アニメ=タイガーマスクが好きな少年はどういう行動をとったか。
一番遠い記憶では、絵に描いたことだろうか。絵を描くのが好きな子供だったのでね。しかし昔は現在と違い情報源が少ないので、テレビで観た記憶だけを頼りにこんなんだったな~と頭に浮かべて描くのだ。
ある時、たまたま描いてたものを家に来た友達に見せた時に「この部分はこんなんじゃない」と指摘された。で、その部分を彼が言うように修正すると「そう、そんな感じ」と納得してくれた。
これは後になってわかることだけど、タイガーマスクに限らず、昔のアニメは1話ごと班に分かれて制作されるので、絵柄にも担当した作画監督の個性が表れる。基本的なキャラクターデザイン設定はあるので大きな違いはないにせよ、作画監督の数だけ微妙に違うタイガーの顔が存在するのである。よって子供にもその直近に観た話の時のタイガーマスクの顔が記憶されたてたりするわけですね。
タイガー好きな子供が成長して後に専門的な情報や知識も得てくると、作画監督別のタイガーの顔を研究して描き分けて楽しむなんてマニアックなこともするようになる。
さて、今は自分の観たい番組をHDDに録画したり、好きなアニメやドラマの作品をDVDやBlu-rayで全話手に入れることまでできる時代だけど、昔の一般家庭にはテレビ番組を録画するなんて日常はなかった。まだビデオデッキが普及する前の時代である。
タイガーマスクが好きでたまらない少年がそれをどうにか形に残したくてとった行動は次のようなものだった。
毎日夕方の再放送でタイガーマスクをやっている→観た後もどうにかして楽しめないものか?→そうだ、家にラジカセがある!→(音を)録るっきゃないだろ!(笑)。
再放送をリアルタイムで観ながら、ラジカセの一時停止ボタンでCMをカットしながら録音して音だけ聴いて楽しむのだ。
最初は特に思い入れの強いエピソードを絞って数話だけにしたが、次にまた再放送が始まった時には、ほぼ全話録音したと思う。
使用したのは46分のカセットテープ、AB両面で1本につき2話収録。レーベルの背にはサブタイトルをレタリングして制作する懲りようだった。美術~デザインが得意な少年だったから、見本は無しで明朝体の文字は描けるくらいマスターしてたので…って、ここらへんの話が伝わる人いるでしょうか?(笑)。
そういえばよく友達に音楽カセットテープのレーベルのレタリングを依頼されてたなぁ。
そんな感じで、まだビデオが普及してなかった時代、ラジカセで録音しそれを聴いて音だけでタイガーマスクの世界を楽しんだ。
毎日のように聴いて耳だけで楽しむことが多かったからか、劇中のBGMもよく覚えて興味を抱くようになった。そのBGMについては、これがタイガーマスクをここまで好きになった理由をかなり占めているという外せない話があるけど、それはまたの機会にしてみたいと思う。
こうしてタイガーマスクをカセットテープに録音し音声を聴いて楽しんでいた少年は、やがて大人になった時に全話収録のDVD-BOXを手に入れることになる。
もしその時の自分に現在会えるとしても「大人になったらタイガーマスクが全話収録されたDVD-BOXというものを買って好きなだけ観れるようになるからそんなことしなくていいよ」…とは言わない(笑)。