論文財務の勉強方法 | 働きながら会計士試験……受かりました!

働きながら会計士試験……受かりました!

会社員をしながら、2009年末から会計士試験の勉強を始めました。

2013年5月短答合格
→2013年公認会計士試験(論文式)不合格
→2014年公認会計士試験(論文式)合格
→2017年度修了考査合格で晴れて公認会計士です!
(2018年公認会計士登録)

こんばんは。
短答を受験された方、寒い中お疲れ様でした。
 
さて、受かった見込みの方はもちろん、ダメだったけど受験を継続される方も、今後は論文をどう攻略するかということで悩まれる方は多いでしょう。
受験時の僕の唯一の得意科目だった財務会計論の論文の勉強方法について触れてみます。
自分の試験から2年も経ってこんな記事書くのもアレですが、何となく気分で……(笑)。
 
(注)勉強方法云々の前に!
簿記が苦手だ!という方、危険です。
まずは12月いっぱい使って簿記の穴をなくしてください(特商、本支店等は除く)。
アカスク卒業で短答は企業法のみ受験だったという方はもちろん、短答で企業結合やCF計算書は切った、税効果は切ったといった方もです。
僕は財務会計だけは簿記も理論も網羅的な学習を心掛けました。
 
財務理論は簿記で手を動かして数値例を体得していると、文字だけの説明がイメージしやすくなります。
逆に簿記で切った論点を文字で説明されても、字面ばかりを追いかけてしまい、イメージとして定着しにくい気がします(個人的な感想ですが)。
「理論と計算のリンク」ってよく言われますが、個人的にこれを実感したのは短答より論文になってからでした。
理論の勉強した後に関連論点の計算問題をやるのも、良いと思います。
固定資産の減損損失絡みで、使用価値を求めるのに使う割引率をどれにするか、とか実務チックですが何年か前の短答で出ましたし。
 
本題です
話がそれました。閑話休題。
では、本題に入ります。
 
【1】論点の階層構造を意識する
まず大事なことの一つは、論点の階層構造を意識するということです。
現代の会計基準は概念フレームワーク公表以降、かなり体系的に整理されています。
頂点に、「投資家の意思決定(企業成果の予測と企業価値の評価)に有用な情報としての企業の財務情報を提供する」という財務報告の目的があり、そこから演繹的に「意思決定との関連性」であるとか「信頼性」といった下位概念が展開され、そういった概念を基礎として個々の会計基準ができています。
僕は、論文の勉強当初はこの階層構造を意識するために、理論の因果関係を重視してテキストを読み込みました。

意識しました……といっても、マーカーの色を工夫しただけですが、緑マーカーで論拠となる部分を塗り、それに対応する結論部分をピンクマーカーで塗る、というだけです。
ただ、緑→ピンクで塗った部分をさらに外から緑マーカーで枠を塗り、次のピンク(結論)に持っていくという具合に、入れ子的な塗り方もして、ある論拠から導かれた結論がさらに次の結論の論拠になっていく……という感じで塗っていきました。
こうするとテキストの記述が図形としても覚えやすくなり、試験時も「この話は○○ページのあの辺りに書いてあったな」と思い出しやすくなります。
 
【2】大事な概念はきちんと理解して覚える
よく、理解か暗記かという議論が出ますが、これはあまり意味がないと思います。
勉強を進めるということは、前にあった基礎的な知識を土台とするものであり、そこがふわっとした知識だと上に積み上げようにも思うように行きません。
基礎的な概念ほど厳密な暗記が必要で、例えば「のれんが資産の定義に該当するか」と問われても、「過去の取引や事象の結果として、報告主体が支配している経済的資源」という定義を引っ張って来られなければ、「過去の取引や事象の結果」「報告主体の支配」「経済的資源」という概念への当てはめができません。
 
一方で、理解を伴わない暗記はそれはそれで用を成しません。
少しでも捻った出題がされれば、本来知っていることでも何を問われているかが掴めない。
要は応用が利かない記憶になってしまいます。
 
【3】網羅的に勉強する
(注)で簿記についても書きましたが、どの予備校であれ基本はテキストに帰ることです。
僕はLECしか知りませんが、本試験で出た問題は8割方テキストに載っていました。
2013年第三問のように減損の兆候の判断基準とか一部細かすぎる論点が出たこともありますが、それ以外はテキストに載っている、あるいは【1】を意識した体系的な勉強をしていれば演繹的に現場対応できる問題でした。
ですが、予備校は時として答練だけを回転することを勧めてくる場合があるようです(主にTとO)。
 
なぜ予備校がむやみやたらな回数の答練を実施したがるか。
本試験で的中しました!を言いたいがための宣伝材料です。
しかし、現実的に可能な回数の答練では財務会計の膨大な範囲をカバーできません。
勉強範囲が偏りがちになるため、【1】で述べたような知識の体系化もしにくくなる弊害があります。
そうした点を避けるためには、1冊のテキストで繰り返し繰り返し基礎的な部分から知識を染み込ませていった方が効果は出やすいと感じます。
 
……と、まあいろいろ書きましたが、勉強方法は人によってフィットするしないがありますし、最後は気力です。
受験生の皆様、頑張って下さい。