お盆ということで | 清々と

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46歳のおばさんの日常日記です

8月13日。

今日から盆入りということで、娘とお墓参りに行ってきた。

息子はバイトがあるということで断念。


家から車で20分ほどのところにある墓苑。

このお墓には、私の実母が眠っている。


母は4年前に亡くなった。

亡くなる10年以上前から、若年性アルツハイマーに侵されていた。

車で高速を使って4時間かかる距離に住んでいたので、半年に一度くらいしか会いに行けなかったけど、会いに行くたびに病状は進んでいった。

アルツハイマーだと分かった頃からグループホームに入っていて、ホームの人からはとても好かれていて大事にしてもらっていたようだった。

でも、だんだんと認知症も進んでいき、最後の数年は私が誰だかも分からないし、ベッドから起き上がることも言葉を発することもできなくなっていた。


母が誤嚥性肺炎を起こし入院したとき、私は何度も病院に足を運んだ。

時には車で、時には新幹線で。

行ったところで母とはもう目が合うことさえなかったけど、ただ黙って母の横に座っているだけでよかった。


大学進学で、18で家を出てからずっと一緒に暮らしていない。

大人になってからゆっくり会話をすることもなかったし、距離のある親子だったと思う。

そんな母の側で、黙って座っている。

それだけで、大人になってから離れてしまった距離が少しでも縮まった気がした。


母が退院しないまま、コロナ禍に突入した。

病院に行っても、病室に入れなくなった。


とうとう亡くなったと連絡を受けたときも、他県から来る私は病院にさえ入れてもらえず、手配した葬儀屋に直接行くことになった。


何ヶ月かぶりに会う母は、もう冷たく硬くなっていた。


コロナ禍で、葬式も家族だけでひっそりと行うしかなかった。


私には4つ上の兄がいるけど、母とは若い頃から折り合いが悪く、葬式には来たけれど母の遺骨は当然私が持ち帰ると思われていた。

そこで押し付け合いになっても仕方ないと思い、母の遺骨は私が持ち帰った。

母には帰る家がもうなかった。


ちなみに父は母が亡くなる更に2年前に亡くなっている。

父の墓は先祖代々の墓にある。

母はそこに入れてもらえなかった。


私は…私と夫は、自分たちの入る墓を建ててしまうことにした。

そこに母も入れればいい。

そのことに、夫は少しも躊躇しなかった。

自分たち夫婦の墓に妻の母も一緒に入ることに、まるで疑問を感じなかったらしい。

夫はそういう人だった。


母の眠る墓に、いつか夫も入れなければいけない。

このまま遺体は見つからないだろうから、魂だけお墓に入れることはできるのだろうか。


お盆だから、母も夫も家に帰ってくるかな。


母は私が今住んでいる家には一度も来たことがないけど。

帰ったら、迎え火を焚いてあげよう。