乃ディのブログ

http://www.moments.jp/play12/index.html

お誘いを戴き、初めて公演を観劇しました。



http://www.moments.jp/play12/index.html



原作は独文学カフカ『変身』なのですが、通して暗めとならない演出がとても良かった、好感です。カフカを軽演劇と解釈した点が、先ずはなるほどと納得の源(みなもと)なのと私は思います。

虫に変身してしまった主人公の男、その妹を異なる女優さんが順次に演ずるのですが、これは状況が変わり行く過程を表す手法なのかと思いました。
原作では虫になった主人公が最後に駆逐されます(殺される?)
舞台は、最後に主人公の妹と父母が久々に三人家族揃って外出する下りで終わりますが、「変身」したのは駆逐された男なのではなく、他の家族達なのではないか。即ち周囲の状況こそが不意に変わってしまうとの不確実な現実こそを、突き詰めれば「不条理」と捉えるのではないかと、私の情感は当の舞台を見届けました。
身近な周辺の変容こそが、実際の「変身」である、こんなテーマを物語る話なのでありましょうかと思うものです。

土曜(5/02)まで上演です、確かに面白いし、美詞さんのシャープで可愛い演技がマッチングしています。これは是非に、劇場にてご自身でご覧くださいませ。美詞さんは近くでお会いすれば小柄な女性ですが、表情がはっきりしたお顔立ちで、舞台に合った声質との印象を私は抱きました。

ご参考までに、上演時間およそ90分(途中休憩なし)のお芝居です。あと、ドリス・デイをお好きな方へも、当ステージをお奨め申し上げます()

小劇場を喰わず嫌いな皆様へ、特にご推奨したい思いです。舞台まで赴くには、多々なる目的が個別にあるのとは存じますながら・・・。