最後の女性へ
頭から 足の先まで 彩られるのは白。
何にも染まりそうで、何にも染まらない強さを持つ。
少し不器用な指先に、白いネイル。
額の狭いおでこの上にも、白いベール。
細い腰から伸びる長い、白いドレス。
僕が着せて上げられなかった、純白。
それを着て、君は誰か知らない男と
永遠を誓うんだね。
「10年後にまた会おう。」
冗談でもいいから言っておけば良かった。
本当の事は、いつも冗談交じりに言う僕だから、
きっと君はその度に一生懸命に悩んでくれたよね。
ねぇ、全部が愛しいよ。
だから、僕も歩き出さないと。
今は誇れるものが何も無いけれど、
胸を張って、思い出を恥じないように。
生きていくんだ。
これからは、ずっと一人で。
「君が幸せになる事を 願ってる」
「大事な人には いつまでも変わりない」
どれ程、自分が未練たらしいか。
君に気付かされた、
君に裸にされた、
僕の醜いこの感情。
願っていたのは 本当。
祈っているのは 本当。
想っているのも 本当。
なのに。
知らない誰かに 嫉妬したって
もう 君には届かないのに。
これ以上は、傷つけない程に。
痛々しい傷が、心の奥底にある。
僕が 本当に幸せに出来なかったくせに。
あれから
どれくらい 経ったろう。
君と離れて
独りになって
ようやく歩けている この身に
降りかかった 最後の焼け跡。
「結婚、するらしいよ。」
症状は良くなり、リハビリでアルバイトをしていると
誰かが言ってたっけ。
相手は僕の知らない誰か。
君も僕の知らない女性になっているだろう。
未だ吸い続けている Marllboroも
昔とは違う 車も
思い出から抜け出せない
・・・・・・・・・抜け出さない 僕も
ずーーーっと
君を探していたのに。
風の噂なんてもんじゃない。
しっかりと耳に入った言葉。
ねぇ、今は
笑えてるの・・・?

