大きく開いた口が急接近する。




「うわっ!!」




レナはギリギリのところで避けた。




少し距離を取った後、早速その蛇を操る。




レナの支配下となった蛇は、動きを止める。




「よ~しよし良い子だ……!!」




そのまま操り蛇を他の蛇たちに襲わせる。




慌てふためき逃げる影達。




次々に海面の方へ行く。




「とりあえずここから片付けるか……」




コウもうごめく黒い影の一つに手を向ける。




しかし、その時背後に気配を感じた。




とっさに後ろを振り向く。




今度は人の形をした影が手を振り上げてきた。




「っ!!」




避けるも少し掠めた。




血は出なかったが切れ目が入る。




周りにも同じような影がいる。




「コウ!!」




「大丈夫だ…」




コウは両手を広げ、即座に影を操った。




手を徐に動かす。




それと共に影も動く。




「右手挙げて…」




影の右手が挙がる。




「左手挙げて…」




次は右手が挙がる。




操られてあたふたしている影。




周りの他の影達はコウを狙って一気に近づく。




「ラリアット……!!」




コウはその途端手を振り上げる。




操られていた影はそのまま他の影に猛スピードで激突していった。




次々に倒される影達は次々に消えていく。




「おぉさすが~っ」




レナもコウを手伝い、自分の操っている蛇に手を向ける。




「ローリング!!」




今度は蛇がその巨大な身体をコマのように回転させながら影達を襲う。




巻き込まれた影は瞬時にいなくなる。




最初は無数にいた影達は徐々に姿を消していった。