世界は綺麗だ。
カラフルでパワフル…誰かがそういっていた。
人の心の中も様々な色があって夢や希望が詰まっている。
でも悪魔達はそんな世界を黒く染める。
モノクロの心へと変えてゆく。
人々が気づかないうちに、知らないうちに闇に侵されていく。
見た目が綺麗でも、中身が駄目じゃ意味はない。
そして最終的に最悪な結果を招く。
悲観的になる人、諦めたりする人…
挙句の果てには自分を捨てる人…他人をも道ずれにして…
カラフルでもモノクロな世界。
どの世界も同じ。
この法則は変わらない…
「それを変えるのがボク達の使命でしょ?」
気がつくとアテは私の横に座っていた。
相変わらず笑顔が輝いている。
「一緒に中身を変えよう?」
「一緒に…」
「一人でそれぞれの世界を救うのは効率的には良いけど…二人の方が強力だし、たまにはいいかなって……迷惑かな?」
「ううんっ全然!むしろ助かる!」
私が首を振ると、アテは嬉しそうに飛び回った。
アテが言う通り一人より二人の方が強力だ。
それに何より安心できる。
ふとアテが空を仰いだ。
小さく何かを呟いている。
その横顔はどことなく寂しそうだった。
「……ボクは今まで色んな人間を見てきたけれど……ボクは人間を守るのが役目なのに…」
「…?」
「逆に守られちゃってるなぁ…駄目だな~ボク……ボクじゃなくてキミだったら……」
「アテ…貴方は一体……?」
その時誰かの悲鳴が響き渡った。
また喧嘩か何かだろうか。
争った声が聞こえる。
私とアテは顔を見合わす。
「ボク達の出番ってトコかな~」
「みたいだね…汚い悪魔をさっさと排除しましょう!!」
「おーっ」
アテは元気よく答えた。
さっきのことが嘘のように。
ずっと聞きたかったことはやっぱりまだ心の奥に留めておいた。
私が心配そうに顔を見ると、アテは首を傾げる。
「あ…さっき何か言った?」
「ううん…何でもないよ」
私はいじっていた缶を思いっきり蹴とばした。
カーンと良い音がして、光り輝きながら空に舞い上がった。

