「あの光は一体何なのでしょうかねぇ~」
「俺達を移動させてる光か?」
「あれも次元ホールの一種なのかな・・・」
菜奈達を様々な世界へと飛ばしている光・・・
次元ホールとは似ているようで違うようだ。
ふと優斗が何か言いたげに身を乗り出した。
かなり真剣な顔をしている。
「そのことなんだけどよ・・・何かありそうなんだよな・・・・・」
「何かって?」
「俺、光に吸い込まれる前誰かの声を聞いたんだ・・・」
『確かそんなことを言ってたわね・・・』
「気のせいじゃなくて?」
「あっ自分も微かに聞こえました・・・よく聞こえなかったので誰かは定かではないんですけれど・・・・・」
「その声・・・どっかで聞いたことあるんだよなー・・・」
優斗は思い出そうと首をひねる。
輝も何とも言えない顔をして考え込む。
その光と何か関係があるのだろうか。
「女子の声だったよな・・・」
「敵ではなさそうですよね・・・・・助けてくれましたし・・・・・」
「・・・・・・もしかしてその子って・・・・・」
菜奈が口を開いた時、何かが肩に乗ってきた。
驚いて肩に手をやる。
ふわふわとした柔らかな毛に触れる。
「ニャ~」
「ね・・・猫・・・?」
小さな灰色の猫がちょこんと座っている。
頭を撫でると気持ちよさそうに喉を鳴らす。
ふと視線を感じ後ろを振り向くと、吉良達が立っていた。
吉良は腕の中に見知らぬ少女を抱えている。
「その子どうしたの?」
「・・・・・・・落ちてた・・・・・・・」
「お・・・落ちてた?」
その時、海の方から夢羽の悲鳴と龍樹の叫び声が聞こえた。