今までのページの文字よりは真新しい。
本当はまだもっとページがあったらしい。
メッセージが書かれたページの間には破られた後があった。
そこには何が書かれてあったのだろうか。
「へえぶ・・・?エイチイーヴィ?」
「多分これ人の名前だよ・・・H.E.V.・・・・・誰なんだろ・・・」
「そんな名前の人いたっけ?」
「分かんない・・・いなかったと思う・・・」
「学園長・・・?この学校作った人かなぁ・・・」
「このノートを書いた人には間違いないよね・・・」
メッセージの最後に書かれたH.E.V.の文字・・・
一体誰なのだろうか。
ノートをパラパラめくる。
このノートもよく分からない。
めくればめくるほど謎が深まっていくみたいだ。
謎の痙攣・・・謎のノート・・・破られたページ・・・謎のメッセージ・・・H.E.V.の文字・・・
訳が分からないことばかりだ。
「ねぇ・・・・・これどこにあったの?」
「え?知らない・・・というか覚えてないよ・・・・」
「少しくらい何か覚えてないの?」
「んー・・・」
水乃は頭を抱え、必死に思い出そうとする。
しばらく考え込んだ後、急に思い出したように頭をあげた。
「・・・・・誰か・・・・女の子がいた・・・・・?」
「女の子?誰それ?」
「分かんない・・・どこかで見たことがある気がするけど・・・・・夢だったのかな・・・・・よく覚えてない・・・・・」
水乃はドッとソファーに倒れ込む。
覚えてないとはいえ激しく作業を動かしたことは事実だ。
一気に疲労と眠気が襲ってくる。
「水姉休憩しなよ・・・何時間もずっとしてたし・・・」
「うん・・・そうさせてもらうね・・・・・」
「このノートのあった場所が分かれば何か分かるかも!」
「だね・・・休憩したら校内を回ってみよう・・・」
水乃は最後のページを見ながら呟く。
そしてノートを閉じたと同時に重い瞼を閉じる。
不思議な思いを抱えながら深い眠りに陥った。