第4章


-1- 謎深きヒミツ





「・・・・・ねぇ・・・・・!!・・・・・」




「う・・・うーん・・・・・」




「み・・・姉・・・・・水姉・・・・!!」




「・・・・・・・・・・・・!!」




水乃はうっすらと目を開けた。




すると焦り顔の獣音と天井の白く光る電灯が目に飛び込んでくる。




「まぶしっ・・・・・あれ・・・・・私・・・・・・」




「水姉!!良かった~っ」




獣音は心底安心した表情になる。




水乃は何が起きたのか分からないといった顔で辺りを見回した。




さっきまでつついていたパソコンは電源が切れていた。




椅子に座っていたはずなのに、今はソファーの上に横たわっている。




相変わらず静かなコンピューター室。




寝る前よりもますます静かになった気がする。




チッチッと時計が時を刻む音だけが不気味に響く。




「わっもうこんな時間!?」




いつの間にか寝てしまったらしい。




調べ物に挫折した後どうなったかはあまり覚えていない。




思い出そうとするも頭が重く、記憶が曖昧だ。




疲れのせいか、身体もだるく重い。




眠りから覚めたばかりの虚ろな目をこすりながら、重い身体を無理やり起こす。




立ち上がって窓の外を眺める。




さっきまで降っていた雨はもう止んでいた。




風もおさまっていて、さっきの暴風雨が嘘みたいだ。




空が茜色に染まっていてとても綺麗だ。




太陽はもう地平線上に来ていた。




上空にはすでに星がチラチラ瞬いている。




「あ~ぁ・・・私ずっと寝ちゃってたのかー・・・」




「え?何言ってんの?」




獣音がきょとんとして水乃を見た。




「ずっと調べものしてたじゃん・・・」




「え?」




今度は水乃の方が目を瞬かせた。




獣音は心配そうに水乃の顔を覗きこむ。




「水姉が急に痙攣を起こしたときはびっくりしたよーっしかもその後物凄い勢いでパソコン打ったり、資料とが調べてたり・・・どうしちゃったの?」




「どういう・・・こと・・・?」