声の主に驚き振り返る。
「吉良!?何でここに!?」
そこには赤褐色のコートを着て、フードを深々と被った少女…吉良がいた。
落ちてきた為か所々の汚れを払っている。
相変わらず顔は見えないが、同じように困惑しているようだった。
「……ずっといた……姿消してた……」
吉良の話によれば、水乃と菜奈が話しているのを偶然見かけたらしい。
そして突然例の穴が空に現れ、菜奈達と共に吸い込まれたというワケだ。
ふと吉良の辺りを見回すといつも一緒にいるはずのパルの姿がない。
「あれ?パルは?」
吉良が後ろを向く。
すると草叢の中からひょっこりと少年が現れた。
綺麗なオレンジが混じった金髪と赤く鋭い眼光、吉良とお揃いで赤褐色のマフラーが目立つ。
久々に見る人間姿のパルだ。
そしてその背中には…
「おっお兄ちゃん!?」
ぐったりとした光一がいた。
光一は目を固く閉じていてピクリとも動かない。
頭や顔が土や葉っぱで汚れている。
「嘘っ!!お兄ちゃん!?目開けてーっ」
「大丈夫だ……頭を打ったみたいだが命に別状はない……気を失ってるだけだ………」
パルが背中から光一を下ろす。
慌てて抱えると、安らかな寝息が聞こえた。
それを聞いて少し安心する。
「重い……お兄ちゃん起きて………」
光一を揺り起こす。
光一の指が微かに動く。
「うぅ……菜奈の声がする……っ……」
光一が目を覚ます。
虚ろな目を擦り、辺りを見回した。
そして菜奈と眼が合うと顔が明るくなった。
「菜奈!!無事だったのかーっ良かったぁ!!」
「お兄ちゃんも無事で良かった~」
「いてっ……俺らどうなったの?ここどこなんだ~?」
光一が頭を摩りながら首を傾げる。
菜奈が状況を説明する。
「なるほど~……ってそれじゃあここから動けないのか!?」
「迷子になったら危ないし……」
「マジか……う~ん………」
二人が困っている間、吉良も何かを考えていた。
すると何か思いついたように顔を上げる。
「……パル……向こう……」
吉良が森の奥を指差す。
「あぁ……何かがあるな………」
パルもその方向を見つめて頷く。
何かに気づいたらしい。
「どうしたの?」
「………出口……こっち……」
そう言うと吉良達はその方向へと歩いていく。
森に住んでいるだけあってか詳しいのだろう。
一直線に何処かへ目指しているようだ。
菜奈達は慌てて吉良の後に続く。
この先に何があるのだろう。
不安の中には何故か期待もあった。
小鳥のさえずり、暖かい日差し、和やかな風。
出口に近づくにつれ強くなる。
ふと甘い香りが鼻をくすぐる。
とても良い匂いだ。
しばらくするとついに出口についた。
眩しくて思わず顔を伏せる。
光が広がる。
目が慣れてきた時、飛び込んできた視界に思わず呆気に取られていた。
目の前に広がる風景に圧倒される。
あまりの美しさに息を呑んだ。
「わぁ…………っ」
辺り一面緑、桃色、水色、黄色…
色とりどりの美しい自然。
カラフルな世界がそこにあった。
「吉良!?何でここに!?」
そこには赤褐色のコートを着て、フードを深々と被った少女…吉良がいた。
落ちてきた為か所々の汚れを払っている。
相変わらず顔は見えないが、同じように困惑しているようだった。
「……ずっといた……姿消してた……」
吉良の話によれば、水乃と菜奈が話しているのを偶然見かけたらしい。
そして突然例の穴が空に現れ、菜奈達と共に吸い込まれたというワケだ。
ふと吉良の辺りを見回すといつも一緒にいるはずのパルの姿がない。
「あれ?パルは?」
吉良が後ろを向く。
すると草叢の中からひょっこりと少年が現れた。
綺麗なオレンジが混じった金髪と赤く鋭い眼光、吉良とお揃いで赤褐色のマフラーが目立つ。
久々に見る人間姿のパルだ。
そしてその背中には…
「おっお兄ちゃん!?」
ぐったりとした光一がいた。
光一は目を固く閉じていてピクリとも動かない。
頭や顔が土や葉っぱで汚れている。
「嘘っ!!お兄ちゃん!?目開けてーっ」
「大丈夫だ……頭を打ったみたいだが命に別状はない……気を失ってるだけだ………」
パルが背中から光一を下ろす。
慌てて抱えると、安らかな寝息が聞こえた。
それを聞いて少し安心する。
「重い……お兄ちゃん起きて………」
光一を揺り起こす。
光一の指が微かに動く。
「うぅ……菜奈の声がする……っ……」
光一が目を覚ます。
虚ろな目を擦り、辺りを見回した。
そして菜奈と眼が合うと顔が明るくなった。
「菜奈!!無事だったのかーっ良かったぁ!!」
「お兄ちゃんも無事で良かった~」
「いてっ……俺らどうなったの?ここどこなんだ~?」
光一が頭を摩りながら首を傾げる。
菜奈が状況を説明する。
「なるほど~……ってそれじゃあここから動けないのか!?」
「迷子になったら危ないし……」
「マジか……う~ん………」
二人が困っている間、吉良も何かを考えていた。
すると何か思いついたように顔を上げる。
「……パル……向こう……」
吉良が森の奥を指差す。
「あぁ……何かがあるな………」
パルもその方向を見つめて頷く。
何かに気づいたらしい。
「どうしたの?」
「………出口……こっち……」
そう言うと吉良達はその方向へと歩いていく。
森に住んでいるだけあってか詳しいのだろう。
一直線に何処かへ目指しているようだ。
菜奈達は慌てて吉良の後に続く。
この先に何があるのだろう。
不安の中には何故か期待もあった。
小鳥のさえずり、暖かい日差し、和やかな風。
出口に近づくにつれ強くなる。
ふと甘い香りが鼻をくすぐる。
とても良い匂いだ。
しばらくするとついに出口についた。
眩しくて思わず顔を伏せる。
光が広がる。
目が慣れてきた時、飛び込んできた視界に思わず呆気に取られていた。
目の前に広がる風景に圧倒される。
あまりの美しさに息を呑んだ。
「わぁ…………っ」
辺り一面緑、桃色、水色、黄色…
色とりどりの美しい自然。
カラフルな世界がそこにあった。