病室で聞いた先生の話はその場にいたボクにはまだ全部理解することは不可能だった。
ボクが病室で聞いていてそうなのか、と思っていたのは

「骨の変形がおさまるまでは痛みが強いでしょう」
「骨が元に戻る可能性はあります。完全には戻らないでしょう」
「手術をして治す方法もあります。」
「手術せずとも固定して骨に負荷がかからないように骨が元に戻るのを待つことも出来ます。」

そしてボクが先生の言葉で不安になったのは

「仮に手術をしないで治しても何十年後には後遺症で歩けなくなる可能性もあります。」
「大人になってから歩けなくなってしまうと手術が必要になるでしょう。」

との事でした。

きっとこの時はボクよりも両親の方がショックだったのではと思います。
ボクはこのとき手術が不安で拒みました。
両親も手術よりも自然治癒をとのことでギブスを付けて経過観察を選びました。
もちろん激しい運動などはご法度!

ここからいつ治るかわからない完治はしない、大人になったら歩けなくなる日がくるかもしれない?ギブスで歩行も困難、いつまでギブス?
走ったり出来ない?外で遊べないの?
でも6歳ほどの小さなボクはこれから訪れる本当の困難など解らずに今ある不安を漠然と感じていたと思う。