百尺下の水の心「波騒は世の常である。波に任せて、泳ぎ上手に、雑魚は歌い、雑魚は踊る。 けれど誰か知ろう、百尺下の水の心を。水のふかさを」 長い人生の途上では、不本意な結果に遭うこともある。 だからと言って、「すべてを失った」と思うことは、一たび戦いに勝てばすべてが手に入ると 考えることと同様に早計だろう。 「百尺下の水の心」を不断に感じ取りながらの戦いの中で得たもの。 それは「世間の波騒」などが到底及ばない自身の宝として、 光り輝くはずだ。 作家 吉川英治 「宮本武蔵」