湯沢絵灯籠の美女が好きのブログ

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今日紹介するのは、中島敦「山月記」です。


高校のときに授業で読んだ記憶があり、「人が虎になる話」として、何となく気になっていた作品です。


高校時代の読後感は、「あれこれ思い悩むのは、人の心があるからか。虎になれば楽になれるかな」という少し脳天気なものでした。


正月休みに久しぶりに読むと……グサッと心に突き刺さる言葉が並んでいました。


「臆病な自尊心」
「尊大な羞恥心」
「己の珠に非ざることを惧れるが故に、敢えて刻苦して磨こうともせず、また、己の珠なるべきを半ば信ずるが故に、碌々と瓦に伍することも出来なかった。」
「才能の不足を暴露するかもしれないとの卑怯な危惧と、刻苦を厭う怠惰とが己の凡てだったのだ。」等々。



自分の中の仮想有能感の仮想であることを直視し、これを捨てて、精神においても地道であることが「人」らしい生き方、ということなんだろうけど……、私は、今でも「虎」に少し憧れています。

但し、あくまで他人を苦しめない限度で。