お互いの舌をゆっくりと絡ませながら。
何度も、何度も。
果て無く、口付けを交わす。
着物を脱ぎ捨て、身体をぴたりと重ねて。
夜風が冷たくなったら、湯壺に漬かり。
後ろから私を責める指を堪能した。
『…風・柱、…様ぁ…っ!』
ビクビクと身体がおかしな動きをする度に。
ぱしゃりと湯が跳ね、踊る。
『…イイ声で啼くじゃねェか…。』
そんな風に、耳元に囁かれると。
ぞわぞわと、背筋に甘い疼きが奔った。
後ろから、指だけなのに。
果てそうになると、唇を塞がれて。
塞がれているのに、淫らな声が漏れた。
『…ここでイッちまうかァ。
床で壊されちまうかァ。
…どうする?
テメェで選べェ。』
湯船の中で、私を責める指を止めないまま。
風柱様が意地悪な質問をした。
『……っ、ぃや…っ!』
張り詰めた乳房の突起が痛い。
『…どっ…、ち…もっ、
…全部、した…っ、い…っ!』
息も絶え絶えに、そう告げると。
『…いい度胸だぜ。』
と、口の端だけで笑った。
立ち上がるよう導かれ、岩場に、手を付く。
私の腰を掴むと、後ろから、熱い塊を挿入られた。
『……ぁ、あぁ…っっ!』
…肉が、裂けるのが解る。
破果を迎え、一筋の朱が、すぅ…と。
白い太腿の内側を滴り落ちるのを見ても。
風柱様は、容赦しない。
『…嬉、し…っ…』
痛みより何よりも。
貴方をこうまで突き動かせたことが、嬉しい。
肉のぶつかり合う音も。
私の、獣の様な息遣いも。
全部、貴方に捧げるから…。
だから、まだ止めないで…。
そう、願うのに。
カラダはまるで、言うことを聞かない。
びく、と私のナカで震えた、風柱様の熱い欲を。
全部、受け止める。
『…イヤ、よ、まだ…もっと…欲し…っ!』
自分が、ここまで淫らな生き物だなんて、知らなかった。
『…足りるかよ、阿保がァ…。』
ザバッと、湯船から抱き上げられて。
離れの寝間へ、運ばれた。
濡れた髪のままでも、もう構わない。
向かい合った座位で、また彼を受け挿れた。
口付けをしながら、繋がって。
彼の上で、波間を漂う小舟のように、たゆたう。
『…テメェ、…これで男知らねェ、とか…。』
微かに眉を寄せながら、風柱様が忌々しそうに吐く。
『…誰かに仕込まれてンじゃ…ねェ、だろうなァ?』
その問いに応える代りに。
風柱様の、しがみついた肩先に噛み付く。
だって、酷いこと言うんだもの…。
『…こ、ンの…っ、メス猫がァ…。』
荒々しく、布団に押し倒されると。
私の両脚を、拡げて抑えながら、その間に潜り込む。
今…破果を迎えたばかりの、蕾を、…舌の先で…。
『…ィやぁ、あ・・っ!! ぁ、んっっ…っ!!』
風柱様の、髪に指を差し入れて、押し除けようとするのに。
『…力、抜けェ。』
指先で、ゆっくりと蕾を拡げられて…。
滑らかな舌が、ソコの縁に沿って、這い上がる。
時折、強く吸い上げて。
溢れる蜜を、舌の先で絡めとり、混ぜながら。
たまらず、嬌声が漏れた。
泣き声に似て、もっと淫らな、声だった。
話す声とも、全く違う。
自分がもう、まるで違う生き物に変わってしまったのだと思った。
しなる背中が痛い。
びくびくと、痙攣しながら。
何度も、うわ言のように、名前を呼ぶのに。
湿った水音を撒き散らしながら、風柱様は、執拗な程に責めた。
『…も、だめ…ぇ…』
声を張るチカラも無い。
『…イキてェか。』
くぐもった声で、風柱様に問い掛けられても。
涙を流しながら、首を縦に振れたかどうか。
…壊れてしまう…。
壊されてしまう。
もう、これ以上は。
だけど。
ぐったりとカラダを投げ出している、私を。
心底満足そうに、見下ろすと。
…また、再び、私のナカへゆっくりと、硬い欲を突き立てた。
だけど今度は、寄せては返す、波のようにゆっくりとした律動で…。
なのに私の膨らみを揉みしだく、両手は荒々しい。
低く、身を伏せ、私の耳朶を舐め上げながら。
甘い声で、囁いた。
『…見せろよォ、紗夜ァ。
…三年前。
抱けと泣いてたあのガキが、俺の女になる様を、よ。』
その言葉で、十分だわ…。
そう思いながら、言葉に出来なくて。
風柱様の方へ、必死に手を伸ばすと。
その手を掴み、指を絡ませ、掌に唇を押しつける。
その、愛しむような仕草をする、綺麗な横顔を。
私は生涯、忘れないと思ったのよ。
【藤花の契 終】