【ぼつ原稿】 シン ③ (恋に落ちた☆海賊王) | 恋に落ちた☆妄想女子

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読んでも何の得も無し。



『…どうした。』




次の日の、夜。


また、シンさんの部屋にいて、



ベッドのヘッドボードに背中を預けて座りながら。


ぼんやり、していたら。



不意に、ジャケットにブラシを掛けていた、シンさんの声がした。



『あ…いえ。』



…ホントは、ぼんやりしてたなんて嘘。


カラダに残る、シンさんの腕の感触。


優しく、カラダをなぞった掌の感触。


耳に残る、シンさんの声。



…熱くて。



…切なく、て。



…何度も、私の中で蘇る。





“…ジュリア。”





って…、声。






…誰…だろう。


…女のヒト…だよね。


…あんな風に、優しく。


…そのヒトを、抱き締めてるんだ…?


…今日一日。


気になって、気になって、気になって。


仕方なかったのにでも、聞けなくて。


…大体、シンさん、覚えてないと思う。


朝、起きたら。


…もう、ベッドに居なかったし。



『…大人しいな。』


フン、と鼻で笑いながら、ジャケットをハンガーに掛ける。


『…熱でもあるんじゃないのか?』


何も言えずに、ポヤンとした私を、訝しそうに見て。


私が座ったベッドの横に、腰を降ろして座ると、



ピタッとオデコに手を、当てる。


…ひんやりした、冷たい手が。


キモチ良くて…目を閉じた。



『…っ!お前、熱上がって…!』



シンさんが、驚いたように叫んだ。



『来い!』




…あ、熱があるんだ…。


来い、と引き寄せられ、あれ?と思った時には。




シンさんが、私を抱え上げてる。


ドアを足で蹴っ飛ばして開けると、



いちばん端っこの医務室へ連れて行ってくれた。


ベッドに私を降ろすと、ドクターを呼んで来る、と、部屋を後にする。


すぐ、ソウシさんがやって来て、それからシンさんも。


『…ああ、○○ちゃん、もう大丈夫だよ。安心して?』


ソウシさんが穏やかな笑顔で言うと、診察をしてくれた。


脈を取ったり、舌を観察したり。



それから。



『…あのね。

言いにくいんだけどね?


カラダに…発疹が無いか確認したいんだけど…。』



首の後ろに手を当てて、ソウシさんが申し訳なさそうに言う。



『あ…それは…大丈夫…です。

お願い…します。』



『…ありがとう。

…聞こえた?

シン。


…ちょっと、カーテン閉めるね?』


シャーッと、シンさんがいる方と、ベッドの方が、



間仕切りのカーテンで仕切られる。


プツ…プツ…と、ブラウスのボタンを外して…、



スルリと脱いで、胸の前で抱き込んだ。




『…背中だけでいいから。

…いい?』


律儀に私に背を向けるソウシさんに、ハイ、と返事をして。


…背中に、ソウシさんの視線を感じていた。


柔らかいトコに、出るからね。


…そう言いながら、私の肘を軽く持ち上げたり、髪をすくって、首筋を出したり…して。


…冷たい、指。



『…大分、熱があるね。

…でも、発疹はないから、大丈夫。


いいよ、服を着て?

…横になってていいからね?』


優しく、私の頭を撫でながら、横になった私に、シーツを掛けてくれた。


カーテンを開けると、入口の隣の壁にもたれて。


腕組みをして、立っているシンさん。



『…ドクター。


…何なんです?』


心なしか不機嫌そうなシンさんの声。



『…そんな顔しないの、診察なんだから。』


ふふ、とソウシさんが優しく諌める。


『…もともとこんな顔ですよ。

…コイツ、大丈夫なんですか?』


『…そう?

怒られてるのかと思っちゃった。

…○○ちゃんは、心配無いよ、伝染病とかじゃない。

…急激な環境の変化に、カラダが先に参ってしまったんだと思う。



過労だよ。』



『…そうですか。』



『とにかく、ゆっくりカラダを休ませる事がいちばんの薬だね。

ちょっと、ナギに言って氷枕とか貰って来るから、シン、ついててあげて?

…慣れない環境で体調まで崩したんじゃ、とても不安だろうから。』


そう言い残して、医務室を後にしたソウシさん。


ベッドに横たわったまま、シンさんに視線だけを向けると。


…はぁ、と軽くため息をついて、でも。


ベッドの枕元まで、来てくれた。


側にある椅子を引き寄せると、どっかりと腰を降ろして、脚を組んで…座る。


『…あの…すみません…。』


『…何がだ?』


『…熱なんか、出しちゃって…。』


『それは…お前のせいじゃないだろう。』


『そうですけど、…でも…シンさんのお仕事のお手伝いが…。』


私がそう言うと、シンさんは…




何か信じられないモノでも見るような顔をして…言う。


『…お前がいなくて、俺の仕事が滞るとでも…思ってるのか…?』


『…え…?』


ヒドイ言われように、傷ついて…。


シンさんを見上げると。


口の端だけを上げる、あの笑みを浮かべていた。



『…ひど…っ!』


軽く、涙目になりながら、シンさんを睨む。


すると、ふと。


立ち上がって、私を見下ろすようにして…言った。




『…ゆっくり休め。

何も、気にしなくていい。



…安心していろ。』



…いつものシンさんからは、ちょっと想像もつかないその言葉に、




ドクン、と、確かに胸が鼓動を打った。


そっと、シンさんの手が、私の頬を包むように…触れる。


指先が、…耳の後ろまで届いて。


さらに鼓動は、高まった。



『お前がいないと、少しは、困る。』


私を見下ろしたまま言ったその表情は、真剣で…。


『からかって、こんなに反応が面白い奴は、いないからな。』


また、ニヤリと、笑った。



…ああ…って。


思った。


…私、シンさんに、必要とされたいって、思ってるんだって、今。


自覚した。


…そして何より、側にいたい、って。





想ってる。




でも、それは…。



この、熱のせいならいいのに。



熱にうかされて、私、おかしいんだ。







だって。



あんなに、熱く想うヒトがいる、シンさんを。



…好きになっても、苦しいだけだって。



もう、解ってるじゃない…。