児童養護施設を巣立った子どもたちの進学と自立の物語集である。現在、児童養護施設から大学等への進学率は一般進学率の5分の1に過ぎず、経済的な理由で夢をあきらめざるをえない子どもたちも多い。

 そんな逆境を乗り越えて、進学・就職を果たした42人の若者による、自立の苦労と喜び、社会への思い、そして施設の後輩へのメッセージが込められている一冊だ。この若者たちの「好きな言葉」という欄には、「夢」、「希望」、「ありがとう」、「感謝」という言葉が並ぶ。苦学をいとわず、今を懸命に生きている若者たちの姿に、心を打たれた。同時に、私たちも負けていられないと思わされた。

しゅん