61)宮本太郎『生活保障 排除しない社会へ』、岩波新書、2009年。不安定な雇用、機能不全に陥った社会保障。今、生活の不安を取り除くための「生活保障」の再構築が求められている。日本社会の状況を振り返るとともに、北欧の福祉国家の意義と限界を考察している。ベーシックインカムなどの諸議論にも触れながら、雇用と社会保障の望ましい連携のあり方を示し、人々を包み込む新しい社会像を打ち出す。また、雇用と社会保障をつなぐアクティベーション型の生活保障は、非常に興味深い考え方であった。(しゅん)