東野圭吾の受賞第一作であり、氏のなぞ解きの本格派としての実力を見事に発揮した青春ミステリーである。登場人物の設定が大学生であり、そこで繰り広げられる殺人がとても生々しい。茶道の「雪月花之式」という茶会になぞられたトリックは難解であり、最後まで犯人が特定できない。「まさか」が次々に展開される東野の作風が詰まっっている作品である。(しゅん)