回復? | 進行性核上性麻痺「最期まで教えてくれた父」

進行性核上性麻痺「最期まで教えてくれた父」

療養病院入院から三か月。89歳の誕生日を迎えた六月に旅立った父と家族の記録です。

2月21日 火曜日

療養病院の見学以来、

父の見舞いは3日ぶりだった。

娘2人が同時にインフルエンザにかかり、

感染の恐れがあったからだ。

 

母と病室に入ると、

先週までの父と、どうも様子が違う。

鼻のチューブが取れている。

両手のミトンも外している。

入院以来初めて靴下を履いていた。

 

また、「大声を出してしまった」

と言う。

認知症のせいだろうか。

 

会話をしながら、ハッとした。

父が一瞬笑顔になったのだ。

ほとんど見ることができなかった笑顔。

 

あれ、どうしたんだろう。

今日はすごく元気に見える。

 

帰りに母に話したが、

母は父の変化に気付かなかったようだ。

 

 

翌水曜日は、私ひとりで面会。

 

病室に父がいなかったので談話室で待った。

しばらくすると、エレベーターから

看護師さんと車椅子で降りてきた。

 

一緒に病室に行き、

私が帰るまで車椅子のまま話をした。

 

今日も鼻のチューブ・ミトンは外れている。

「頑張っていらっしゃいますよ」と

看護師さんに声をかけられた。

 

卓上の吸い飲みにお茶が入っていたが、

飲んではいないようだった。

 

寝がちな父が、今日は違っていた。

自分でティッシュを取り、鼻を拭いてみたり、

両腕を上げ下げしたり、

手の指を動かしてみたり。

 

午前中シャワーを浴び、

午後はリハビリを、

広い場所でしてきたという。

 

リハビリの詳細や、

爪が伸びてきたことや、

着ている上着のサイズのことなど

いつもより話せている。

 

私が帰るとき、

「1人で来た?

お母さんは?

毎日来なくてもいいよ」

と言ってくれた。

 

このままトイレに行きたいといい、

看護師さんに連れていってもらった。

 

今までで一番元気そうで、

回復しているように思えた。