お酒を呑むと。
思考がおかしな方向へ向かいだす。
綺麗事だけで生きられない。
自分だって何処かで誰かを傷付けてるし、誰一人傷付けないで、何も失わないで、笑って生きていく事なんて出来ないんだろう。
それでも、繋いだ指先の温かさや、抱き合う腕の強さを信じていたいと思う。
目に見えないもののほうが、この世の中にははるかに多い。
でも、見えないものの方が大事だったんじゃないかと思ったり。
物質ばかりに幸せを求めたところで、幸せな気持ちは一瞬しか続かなかった。
失ってから気付く事が多過ぎて、次こそは、次こそはうまくやろうと思うんだけれど、同じケースなんかないわけで。
また失敗を繰り返して。
生きる意味を探したって、そんなものは見つからなかったし、この先も多分見つからないだろう。
探したってあるはずがないんだ。
それはきっと、作っていくものなんだろう。
何もかもがうまくいかないような気がして泣いたって、泣いてうまくいくわけじゃない。
お姫様でもあるまいし、そんな事で事態が好転するわけもない。
泣き出してから、不思議と冷静にそんな事を考えて泣き止んだり。
どうやら私にお酒はあまり合わないようだ。
でも、こんな日もあって良い。
明日になれば、また何もなかったように動くのだから。
無邪気さとはだいぶ離れた場所まで来てしまったし、もう取り戻す事も出来ないんだろう。
それが、大人になる、って事なのかもしれないね。