ルームメイトとのトラブルが続くようであれば、これは次回に検討することにしましょう。はじめのうちは患者がアジェンダを設定する際、多少とも治療者の助けを必要とする場合が多い。患者は自分が何に悩んでいるのか明確には意識していないことが多く、何をアジェンダとして提案するべきか確信が持てないからである。患者が抱えている問題のうち、その解決に援助が必要なものを、患者がアジェンダとして提案できるよう、治療者は患者に対してソーシャライズする。「今日はどんな問題を検討したいですか?」、「今日はどのようなことについて話し合うと、あなたの助けになるでしょうか?」、「今日はどんなことに取り組みましょうか?」。アジェンダとして挙げられた項目が多すぎる場合は、治療者と患者とで協力してそれらに優先順位をつけ、各項目に費やす時間を決め、必要であれば保留にしたり次回に延期したりする項目を選択する。注意すべきは、治療者は一度決めたアジェンダを厳守する必要はない、ということである。実際に、ある状況下では設定されたアジェンダにむしろ従うべきではないときもある。
