尿もれ初体験 その時世界は | 八ヶ岳ゆるふわ日記

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八ヶ岳南麓大泉と東京を行ったり来たりの毎日。日々のよしなしごとを綴ります。

 先日ウォーキングの最中に尿意を覚え、どこかに公園はないかと探しているうちにチョロっと出てしまった(尾籠な話でど~もすみません)。

 成年になってからこっち、初めて経験する「尿もれ」である。

 

 「メシの時に見たくないCM」といえば尿もれパッドのCM、入れ歯安定剤のCM、便秘薬のCMだが、私もとうとうそのお世話になる日がやってきたらしい。

 

 

(その瞬間の私の表情はこんな感じ 東京国立博物館「国宝展」金剛力士像) 

 

 尿もれの主たる原因は、「骨盤底筋」と呼ばれる膀胱やらなんやらを支えている筋肉の衰えにあるという。特に女性はこの筋肉の衰えが顕著で、40歳以上の女性の40%が粗相の経験があるとのこと(この手の質問の回答にはバイアスがかかるから実際はほぼ全員じゃないかと推察される)。

 

 男性の場合はこれに「前立腺肥大」が加わることになる。

 前立腺は精子に栄養を与える男性固有の器官である。

 男性ホルモンの欠乏→精子生産終了とともにこいつも役割を終えるわけだが、往生際が悪いというか、それから次第に肥大化していくらしい。この肥大した前立腺が膀胱やら尿管やらを圧迫することで尿もれや頻尿が発生するというわけだ。

 臨床統計では60代男性の70%になんらかの肥大が認められるというから、ハゲの進行とならんで男性ホルモン枯渇の典型症状といえるだろう。

 

 さあどうするか。

 前立腺肥大はハゲと同じだから(ホントか)、それほど深刻に考えなくてもいいだろう(ホントかなあ)。

 それより恐ろしいのは「前立腺がん」である。こいつも前立腺肥大のような失禁系の諸症状が出るらしいのである。

 

 前立腺がんによる男性の死亡者数は年間1万人ちょっと。がん死の第5位である。

 

 

(公益財団法人日本対がん協会HPより)

 

 がんの発生部位別分布では全体の16.7%と、大腸、胃、肺を押さえて堂々の第1位。

 シロウトの憶測にすぎないが、前立腺は「がんに冒されやすい器官」というよりもおそらく「がんを発見しやすい器官」ということなのだろう。

 

(同上)

 

 ビビった私はおっとり刀で近所のクリニックに駆け込み、直腸触診と前立腺がんのPSA検査とをやってもらった。

 この検査、先日天皇陛下もおやりになったという皇室ご用達のまことにやんごとなき検査である。

 PSA検査は実に簡単、PSAという前立腺が分泌するタンパク質の血中含有量を調べるだけ。前立腺に異常があるとこの含有量が増加するらしい。

 

 触診の結果は異常なし。

 直腸周辺にはポリープもなさそうとのこと。

 PSA検査のついでに、発見が難しいというすい臓がんの血液検査もやってもらったが、これらの結果がでるのは一週間先になる。

 

 それにしても、「これから尿もれパッドのお世話になるかも」と思うと憂鬱だ。

 メシが不味くなるのも今は昔、尿もれ系商品のCMを食い入るように見つめて新商品研究に余念がない私の鬼気迫る姿が目に浮かぶ。

 

 男性の場合やはりパンツ型がいいのだろうか。

 思い余って酒の席で囲碁トモのAさんに聞いてみた。

 

「あの、尾籠な話で恐縮ですがこの前尿もれしちゃったんです~」

「あ~、そんなの普通だよ」

 

 う~む。普通だったのか。

 Aさんもとっくの遠に男性ホルモンが涸れ果てたはずだからけだし当然か。

 

「あの、やはりおむつ型のパンツがいいんですかね」

「いや、そんなのほっとけばいいんだよ」

 

 う~む。

 そういえば尿もれ系商品のCMに登場するのは女性ばかり。

 どうやら「ほっとく」というのが世の多くの男性の対処法らしい。