(「鎌倉殿の13人」で源頼朝役を演じる大泉洋さんと愛妾かめ役の江口のりこさん つい最近まで安藤サクラさんが演じているものと勘違いしていたが今でも安藤さんだと思っている方も多いはず)
NHKの大河ドラマである。
毎年途中で飽きてしまい、最後まで見たのは「天と地と(1969主演石坂浩二)」位であるが、今年の「鎌倉殿の13人」はかなり後半まで見そうな予感がしている。
ストーリーがよい訳ではない。殺伐とした鎌倉時代の武家モノで面白い話などあるはずがない。では何故かというと、好きな俳優大泉洋さんと菅田将暉さんがそろって出演しているから。
「女癖が悪くチャランポランだが陰険で人には厳しい」という屈折した頼朝を見事に演じる大泉さん。
演技もトークも上手で容貌も男の私からみてもチャーミングそのもの、今や我が国を代表する俳優の一人といっても差し支えないだろう。
(八ヶ岳南麓でしょっちゅうお世話になっている「大泉タクシー」 運行台数が1台か2台のショボいタクシー会社(失礼)だが全国大泉洋さんファンの聖地巡礼地のひとつになっている)
もう一人が義経役の菅田将暉さんである。
私が彼のファンになったのはかつてNHKでやっていた「ちゃんぽん食べたかっ!」以来のことだが、今回は「ちゃんぽん」の時とは打って代わり、「軽率で天真爛漫だがどうにもならない鬱屈を抱える」というこれまたヤヤこしい義経を活き活きと演じている。あの若さであれだけ自在の演技ができるというのは天性の資質であろう。
(いかにも義経らしい覇気溢れる表情)
左:さだまさし「ちゃんぽん食べたかっ!」(2015NHK出版)
子供の頃からの夢だったバイオリニストをあきらめたさだまさしが地元のフォークコンサートに出
演する日までのことをつづった自伝的青春小説
右:花村萬月「吉祥寺幸荘物語」(2000角川書店)
小説家を志す「僕」は吉祥寺で同居人たちとハチャメチャな生活を過ごす毎日 やがて童貞を捨
て、彼女ができた「僕」にある日出版社から電話がかかってきた
(「自伝的青春小説」というカテゴリーがあるなら、私は間違いなくこの2冊を選ぶ)
二人が「鎌倉殿」に出演するのはいつ頃までだろう。この物語の主役は北条義時だから、二人が死んだ後もドラマ自体はしばらく続くはずだ。
とはいえNHKもバカではないから(ホントか)、視聴率稼ぎのために(本来公共放送のNHKにとって視聴率など無価値のはずだが社内の出世争いのツールとして重大な意味があるらしい)人気者の死はできるだけ後に引っ張りたいはず。
おそらく11月の末から12月のアタマ位に二人はバタバタと死んじゃうのだろう。その日までせいぜい二人の演技を楽しませてもらおう。
(似てるよ、やっぱり)