1997年から20年間お世話になったアフラックの「スーパーガン保険(月払9,800円)」を解約した。
現役時代と違って私が死んだ際の家計上のインパクトは小さくなったし、なにより年金生活にとって月々1万円近い支払いは負担だからである。なにせ杉並と大泉のネット代と夫婦のスマホ代で毎月2万円を超えるうえに光熱水道料と健康保険料がのしかかってくるのだ。
(お世話になりました この直美ちゃんグッズ欲しいな)
ガン保険はやめとして、医療保険には加入しておいた方がいいのだろうか。
あれこれ大雑把に調べた結果、加入しないことに決めた。
老人を対象とした医療保険を保険会社から見た場合、生命保険や自動車の任意保険と大きく異なる点がある。それは、
「ほぼ確実にすべての加入者に保険金給付が発生する」という点だ。
老人医療保険では保険会社にとって無事保険期間が過ぎて保険料丸儲け、という図式が成立しにくい。
これを被保険者側(我々)から見ると、ほぼ全員が利用するのだから保険料支払い額と給付額とは近似していくことになる(低金利時代に保険会社が運用益を稼ぐことも期待できない)。つまり、老人の医療保険とは、
「不測の事態に備えた毎月の貯蓄に保険会社の販売管理費が乗っけられたもの」ということである。
それでも体調が思わしくなく、医療費がかさむことが心配な方は加入されるのも一考の価値があろうかと思うが、私の場合両親とも健康そのもの(90歳と87歳)、暴飲暴食や長年のヘビースモークの影響はあろうが遺伝的には健康だ。そんな私が頻繁に医療機関を利用される方のコストまで私の保険料で負担する意義は薄いと言わざるをえない。
繰り返しになるが、生命保険やクルマの任意保険は滅多にあたらないがその分負担も小さい宝くじのようなものだが、医療保険は胴元にしっかりテラ銭を抜かれたうえで張り銭を参加者でとりあう鉄火場
ばくちのようなものなのである。
また医療保険の多くは、「健康保険の効かない部分」の補償を売り物にしている。
典型的なものが入院費用である。健康保険が効かないのは差額ベッド代と食費だ。
差額ベッドとは、健康保険法で定められた「特別療養環境室」と呼ばれる個室~4人部屋のことを言う。
これはあくまで「特別」なものであって、すべての病院は厚生労働大臣通達により、健康保険の適用範囲となる一般病床を50パーセント以上設置することが求められている(国立、公立病院はもっと高い)。
したがって本人が望まない限り、原則としては差額ベッド代を負担することはない。一般病床に空きがない、ということであれば、空きが出るまでの間自己負担(全国平均5000円/日)するか、ゴネて一般病床並としてもらえばよいのである。
また、食費であるが、これは来年から1食460円となる。まあ旨い不味いは別にして家にいてもなにがしかはかかるのだから、医療保険でカバーするようなものでもないだろう。
それから健康保険の効かない先進医療。これは少しだけ気を惹かれるが、先進医療のみを対象とした医療保険は存在していないように思える。保険会社の経営を考えれば当たり前だ。
まあこれも高額医療費免除の範囲内で生命維持を図れば十分であろう。なにせ3.000万円のオプチーボすら健康保険の対象なのだから。
死生観のようなものは十人十色だが、私は70、80になってまで身体のあちこちを切り刻んでまで存命したいとは思わない。ただ、苦しいのはイヤだ。
苦痛をやわらげる「緩和ケア」は年々発達している。しかも健康保険対象内である。
この事実を知って、医療保険にはすっかり未練がなくなった。
浮いたカネで毎月「鰻の日」をこさえることにしようと思う。
(健康第一だよ~)