そんな風に誰かが言ってたっけな。でも確かに上に上がって行ったり、気に入られて自分の意見通せるヤツはみんなそんな感じかな。


自分の仕事はその性質上、部下に頑張ってもらわないと上に上がれない様になっている。何せ偉い人たちだって更に偉い人に自分は頑張ってますよ、結果を出してますよと言わなければ更なる報酬アップしてがない。その為に半ば違法行為の様な手法で数字を上げているチームがあっても知らんぷりである。正にテレビを見ている側の世界観と言っていいだろう。彼らとて仕事の関係者なのだが、数字さえ良ければ上手くいっていると勘違いをして一切の管理を行わず、放置する。まぁ裏を返せばそれだけ必死になって追い求めているからという事で、それ故に安心という最大の隙を晒す事になる。


まぁ要するに自分がより多くの報酬を得る為には部下に頑張らせないといけない。でもどれだけ実績を上げてもインセンティブなんてものは無いからよく解らない 情熱 とか やり甲斐 で何とか彼らのエネルギーを自分の為に搾取せねばならない。頑張った彼らを報告するのも店長の役目だが、握り潰して自分の手柄にするも、お偉いさんにキッチリその子をアピールするも良心次第。


僕はまだ店長ではない。正確に言うと店長には絶対になりたくない。客のクレームに対して責任者となることが嫌なのではない。正直世に出ている様な珍クレーム事件など、この手の店ではハナクソくらいのインパクトしかない。何故なら客は狩りの対象でしかないと捉えている組織がほとんどだから。だからどれだけ心の入った捨て台詞を言われても、もう気持ちは次の狩りなのだ。悔しいがそれは業界が◯件あたりいくらの商売をしている限り変わらない。現場に居ない人たちは数字以外何が起きているか興味がない為にこの手の意識は下に降りてくることはまずない。偉い人たちの気持ちも次の狩りなのだ。但し、自分たちに火の粉が飛んできた場合を除く、と言っておく。


それは店の、店長と販売員の間でも同じである事は言うまでもない。どんなにクレームのお客を笑顔に変える、そんな女神のようなスタッフが居ても数字を産まなければゴミ同然の扱いで面倒な客ばかり押し付けられる上にそれは活躍ではない(評価者自体の評価を上げる行為に繋がらない)ので輝くステージは用意される事のないまま、潰れるまで搾り取られる。


よく紹介されるような、困っているお客を助ける素晴らしい、良心的な営業というのは外側から見ていると非常に気持ちの良い話だ。ただそれは外側から見ている人間にのみ、良い話で終わらせられるもので実際に数字に繋がっていないものだとその人にとってはただただ疲労だけが残り、賛美も称賛もないまま枯れていく一方なのだ。


それは勿論、テレビの外の方達であるお偉いさんも同じである。話を聞いたり、間違ってメディアなんかに取り上げられた時はとても気を良くする。良い話だと盛り上がる。ただそれはお偉いさんたちが関わってもいないのに自分たちは間違っていないとか、その人の身についている親切をあたかも自分が育成したかの様な嘘の達成感が嬉しいだけ。当人は置いてけぼりで勝手に盛り上がって勝手に終了する、身勝手なドラマとなり、余計当人を苦しめるのである。


自分が人を管理する立場、例えば店長になりたくない理由はそうした 特に何か良いことがある訳でもなく上手いこと言って頑張らせる という騙す力に浸されたくないという部分が大きい。かと言ってスタッフの全てを受け入れる自信も無い。それはプライドだけでは無く、単に店長に必要な力を持っておらず、尚且つ今後も習得出来ないであろうという自分の力不足もあるのだ。


確かに収入アップは魅力的だ。収入がアップすればそれが例え自店のスタッフを道具の様に扱って得たものでも、金そのものが自身をより魅力的に見せかけてくれるので孤独ではなくなる。


支えられているという心にもない感謝を変化球のように織り交ぜ、自分が上に上がる為の足掛かりにしていき、幸せになって子供を作って、人生知った様な老人になって、、、、、


考えるだけでため息が出る。到底自分には務まらなさそうだ。